【教育長のページ】熊野中の探究的な学び~熊野をつなげ隊 熊野の活性化を目指して~
熊野中学校では1年生がふるさと熊野町を活性化させるために自分たちがどんなことができるかいろいろとアイデアを出し合いながら探究的な学びに取り組んでいます。名付けて“熊野をつなげ隊”です。まずは地域の課題を把握するために地域の方から話を聞いたり、アンケートを取ったりして情報収集をしました。その後グループに分かれてそれぞれテーマを決めて具体的な取組を決めていきます。
先日参観した授業では、各グループで考えた取組について学校運営協議会の委員の皆さんにプレゼンし、それに対して各委員さんからアドバイス等をいただく内容でした。今回は委員の皆さんからのアドバイスの時間をしっかりと確保するため、少人数ごとでのプレゼンとなりました。各グループを回って参観しましたが大変充実した時間となっていました。具体的にいくつか紹介します。
〇現在人数が減っている筆の伝統工芸士を増やし、熊野筆の伝統を残していきたい。そのために(1)SNSを活用して筆の魅力発信 (2)ポスターを配布 (3)筆づくり体験の実施などなど。それに対して委員さんからは「伝統工芸士が減っているということは筆職人が減っているということ。その視点も必要。」「筆の魅力を発信する際のターゲットを絞ることが大切。」「筆屋さんの思いをしっかり聞くこともいるのでは。」など貴重なアドバイスをいただきました。
〇熊野町の魅力を発信して関係人口を増やしたい。そのために(1)スタンプラリーを実施するなど。それに対して委員さんからは「スタンプラリーのテーマを絞ることが大切なのでは。」「既存のイベントとコラボするのも良いかも。」など視点を変えるためのアドバイスをいただきました。
○遊べる場所を増やして、子育てしやすい町にしたい。そのために、(1)アンケートを実施し要望を聞く (2)今草が生い茂って使いにくい公園を自分たちできれいにしたい、などなど。それに対して委員さんからは「子育てしやすい、といったときのターゲットを絞ったほうがよい。中学生なのか、小学生なのか、幼稚園や保育園の世代なのか・・・アンケートもその世代に絞ってとったほうがしっかり意見を聞けるのでは。」「アンケートはGoogle Formsなどを使うと保護者も取り組みやすい。」「自分たちでまず公園をきれいにしようとすること、とてもよいですね。」など、生徒の考えを肯定的に受け止めながら、よりよいものにするためのアドバイスをいただきました。
全て紹介できませんが、まだまだ生徒たちはアイデアを深める必要があるようです。ふるさと熊野町のために自分たちに何ができるのか、さらに探究していくことが大切です。11月には子ども議会として熊野町役場の議場において、さらに具体化した自分たちのアイデアを熊野町へ提案することになっています。町行政からもアイデア実現に向けた具体的なアドバイス等をいただけるものと思います。“熊野をつなげ隊”の今後の取組にさらに期待が高まります。
熊野町教育委員会 教育長 平岡 弘資