【教育長のページ】「学びの変革」授業研究~子供の「やりたい!」があふれる授業を目指して~
先日熊野町「学びの変革」推進協議会が熊野第三小学校で開催されました。2年生の授業を参観し、その後協議会を実施しました。
熊野第三小学校では、授業において誰一人取り残さず子供の「わかる!できる!やりたい!」が引き出せるよう、個に応じた多様な学びの選択肢を設けるなどの取組を進めています。山口大学の宮木准教授のご指導を受けながら着実に成果をあげています。協議会ではこの取組を町内全体に拡げるため各小中学校から校長先生、担当教員等で研修を行いました。
授業は2年生国語「スイミー」です。担任の松尾先生から優しい表情で子供たちへの肯定的な声かけがあり、子供たちが落ち着いて学習に向かう雰囲気が感じられます。「スイミー」は、自分だけ真っ黒な体のスイミーは大きなまぐろに家族が飲み込まれてしまいますが、仲間と協力して一番大きな魚のように泳ぎ、自分は目の役割をして大きな魚を追い出すという話です。どうしてスイミーは「ぼくが目になろう。」と言うのだろうという問いに対して、子供たちは自分なりに考えます。想像を拡げたり深めたりすることができるように「考えようコーナー」がいくつかあり、それぞれ「みんなはどう思う。」という問い(もし、スイミーが目にならなかったらどうなる?など)が書いてあります。子供たちは自分でコーナーを選び、自分の考えを付箋紙に書いて貼っていきます。そこでは子供たちの意見交流も見られました。発表の場面では子供たちから「スイミーが目にならなかったら小さい魚とばれてしまう。」「ばれたらみんな食べられてしまう。」という意見がありました。授業のまとめでは子供たちはこの場面のスイミーは、「勇気を取り戻せる魚」「逃げない魚」「ヒーロースイミー」と言っていました。いろいろなコーナーを自ら選択し自分の考えを深めることができていました。子供たちが自ら学び方を選択するなかで子供たちの「やりたい!」姿を見ることもできました。授業の振り返りにおいて、ある男子が「○○さんの意見を聞いて自分の考えが変わりました。」と言いました。自分の考えと比較して友だちの意見を聞くことができることは素晴らしい!もっと素晴らしいことを紹介。熊野第三小ではスマイルハッピーリーフといって友だちの良さを発見したらそれに書き貯めていくという取組をしています。この日の帰りの会で別の男子が「○○君が友だちの意見を聞いて自分の考えを変えることができたことはすごいと思う。」とスマイルハッピーリーフに書いたということです。友だちの良さを見つける視点が素晴らしい!
熊野町教育委員会 教育長 平岡 弘資