筆の都・子ども未来21
安らぎの子育てを支え、力強く健やかな子どもを育む熊野町
1.計画の基本理念
安らぎの子育てを支え、力強く健やかな子どもを育む熊野町
2.計画のキーワード
キーワード1:"安心・安全"
計画のキーワード子育てによろこびが持てる家庭づくり
・子育ての意識の啓発と次世代の親育て
・男女共同参画の推進
健やかに生み育てるための環境づくり
・母子保健医療体制の整備
・子どもの健康づくりと疾病予防の充実
・障害児への療育支援
生活環境の整備
・安全環境の整備
・ゆとりある住環境の整備
個人の生き方、価値観により、結婚や子どもを持つことに関する考え方はそれぞれ違いがあります。子どもを生むか生まないかは、個人の選択に委ねられるべきものですが、「子どもを持ちたいが、持てない」といった状況は解消すべき問題です。そして、この原因として少なからず挙げることができるのが出産・子育てに対する不安です。
従来、こういった不安は保護者自身の親など、家庭内の子育て経験者が支えることによって多くが解消されていました。しかし、核家族化が進む今日では「親となることへの不安」、「子どもの健やかな成長への不安」など保護者が抱える多くの不安を社会で支え、「安心」に変えていくことのできる体制づくりが必要となっています。また、その大前提として保護者が、親としての責任と自覚を持ち、子育てと真に向き合うことが重要であり、今の親に対する家庭の役割の啓発や将来親となる児童・生徒に命の大切さ・温かさなどを伝えていく必要があります。
さらに近年、多くの子どもたちが犯罪によって犠牲となった社会的事件などの背景から、全国的にまちの安全面に対する地域住民の不安が高まっています。本町においても、急速に進む都市化に対応してきめ細かい対策を望む声が多く聞かれており、これに積極的に応え、子どもたちのみならず町民全員の「安心」と「安全」を確保していく必要があります。
キーワード2:"支え合い"
地域における子育て支援大切づくり
・子育ての仲間づくりの支援
・地域の育成力の強化
・ボランティア活動の促進
保育サービスの充実
・多彩な保育サービスの提供
・保育の質の向上
・保育施設の整備
・幼児教育の充実
子育て支援事業の充実
・子育て支援センターの機能強化
・放課後児童クラブの充実
・情報提供、相談体制の充実
・子育て費用の軽減
・ひとり親家庭の自立支援
職場における子育て支援の促進
・企業や就労者への意識啓発
・ファミリーフレンドリー企業の増加促進
・女性の再就職などの支援
子育ての基本は家庭にあると言えますが、保護者や子どもにとって家庭の次に身近な「地域」は、家庭と同様に大切な子育てのステージです。本町は比較的地域のつながりが強いまちと言えますが、近年の都市化に伴って徐々に人間関係の希薄化も懸念されています。子育てに係る不安や悩みの中には、地域の保護者同士や子育て経験者などとの交流の中で解消されるケースも少なくありません。また、子どもにとっても地域の大人たちから学ぶことは多くあります。このように地域は、家庭で補いきれない育児の負担を支え、保護者や子どもに大きな安心感を与えるものであり、今後もそのつながりはしっかりと引き継いでいかなければなりません。
また、子育てに係る問題の中には家庭や地域だけで解決できないものもあります。とりわけ核家族化とともに女性の社会進出が進んでいる今日では、保育所(園)などにおける保育サービスをはじめとして、公的な子育て支援サービスの役割はますます大きくなっています。また、仕事と子育てとの両立の面では、行政側からの支援のみならず、企業からの子育てに対する理解と支援が不可欠となっています。
このように家庭・地域・行政・企業などが、それぞれの役割を担い、欠ける部分を補い、支え合う社会を築くことが、本町の進めていくべき子育て支援の大切なテーマとなっています。
キーワード3:"のびのび"
子どもを育む環境の充実
・子どもの遊び場の確保
・さまざまな体験活動の促進
・信頼される学校教育の推進
子どもの権利を尊重した社会の実現
・子どもの権利に関する啓発
・要保護児童対策の推進
一般的に少子化が与える影響のひとつに、子どもたちの社会性を育む機会が減少することが挙げられています。
子どもの社会性を育む場のひとつに「遊び」があります。子どもは遊びを通じて満足感・充実感・達成感、時には社会のルールを学びます。また、子どもはさまざまな体験を通じて「生きる力」を身につけていきます。しかし、最近の子どもたちの間では、テレビゲームなどの普及により、自然とふれあえるような屋外での遊びの減少、一人遊びの増加、仮想的な体験の増加などの傾向が見られます。
また、子どもの主体的な成長には元気な心を欠くことはできません。いじめや不登校、そして近年深刻化する児童虐待などの問題は子どもの心に深い傷を残し、健全な成長への歩みを遅らせてしまうこともあります。
今後はこのような現状を踏まえ、育てる側への支援とともに、育つ側である子どもが主体的にのびのびと社会的成長を遂げていくことのできる環境づくりを進めていく必要があります。