〔連載特集〕筆の里工房周辺の整備事業 「つながる つなげる」 (その21)
都市公園と公園施設(観光交流拠点)の建設を進めています

(イメージ図)
わずか74年後には、日本の人口が今の半数に減少すると見込まれるなか、“ふるさと熊野”を子や孫に残すために、私たちには今できることがあります。
個性豊かな文化を活かした魅力的なまちづくりも、移住する場所、住み続ける場所として人々をまちに惹き付ける大切な取り組みの一つのはずです。
熊野町は筆産業とそれにより培われた文化芸術が息づくまちです。このソフトパワーを活かし、この地に住む人々がつながり、まちと文化を未来につなげるため、都市公園と観光交流拠点施設の建設を進めています。
-地域とともに成長する- 広島県立熊野高等学校の取り組み
熊野高等学校は、県内で唯一、“普通科芸術類型”という芸術系のコースを有する高等学校です。昭和59年(1984年)にコースを設置して以降、芸術への素養や地域愛の深い人材をこれまでに数多く輩出してきました。
また、熊野高等学校では、地域社会や行政との協働の取り組みの実践も重ねており、町においては、文化芸術のまちづくりや、地域コミュニティの活性化を通して新たな「熊野らしさ」を形成するうえで欠かせない重要な地域資源の一つでもあります。
熊野高等学校・芸術類型について
芸術類型は、音楽・美術・書道・アートディレクションの4つのコースで構成されており、生徒一人ひとりの持つ芸術センスを伸ばして、芸術系の進学や関連企業への就職などの進路選択を支援するとともに、生涯を通した学習の実践など、芸術への興味関心を持続させて自らの人格を磨き、豊かな人生を送ることのできる人材の育成を目指しています。
音楽コース
音楽の基礎を身につけるため、ソルフェージュ(楽譜を読むことなど)や音楽理論、楽器演奏法などを総合的に学びます。
また、全員が音楽部に所属し、校内外での演奏活動などを通じて、演奏技術や音楽表現を磨きます。

美術コース
美術の基礎を身につけるため、デッサン、アクリル画、デザイン、彫刻、工芸などの各分野を横断的に学びます。
また、全員が美術部に所属し、校外写生や校内外の作品展への出品、卒業制作などを通して、創作技術を磨きます。

書道コース
書道の基礎を身につけるため、漢字仮名まじりの書、漢字の書、仮名の書の各分野を総合的に学びます。
また、全員が書道部に所属し、各種書道展に向けた作品制作を通して、書の美の多様性や創造的な表現技能を磨きます。

アートディレクションコース
芸術の力で学校や地域を元気にするプロジェクトを企画し、仲間と実現させる『実践型探究学習』を行います。
自ら設定した課題に取り組むことで、課題発見解決能力やコミュニケーション力、マネジメント力を鍛えます。

学校長からのメッセージ
芸術類型で学ぶ生徒は、各コースが目指す目標に向けた学びを積み重ねるなかで、自分自身と向き合い、他者とのかかわりの中から自らの表現力を深め、それぞれの個性を伸ばしています。
これからも、生徒たちが地域にとって有用な人材に成長するよう支えるとともに、町のまちづくりに積極的に貢献してまいります。
熊野高等学校
校長 矢野 由美子
熊高生による地域連携の取り組みとその成果
熊野高等学校では、生徒による主体的な活動や、文化芸術のまちづくりに興味・関心のある人々によるものづくりネットワーク“KCP(クマノ・クリエイティブ・パレット)”の活動への参画など、さまざまな地域連携の取り組みを行っています。
そんな取り組みの中から、実現した3つの取り組みについて紹介します。
「防災から始まる地域づくり」
3年・西村 まこさん
<取り組みの概要>
避難者にとって、避難所が“避難したくなる”場となるよう、キッズルームやドッグランといった施設設備の魅力を発信する『避難所内マップ』を日本語および英語で作成しました。
また、子どもたちへの防災教育として、避難所を身近に感じてもらうことを目的とした避難所でのスタンプラリーを企画・実施しました。このほかにも、筆の軸金具を製作する企業と共同し、非常時に使える『熊野笛』を開発しました。


<生徒のコメント>
わたしの理想は、“やらなければいけない”ではなく、“やりたくなる”ことで続いていく地域づくりです。防災の観点から地域に目を向けてみると、改めて、地域にある資源の魅力発信が重要だと痛感しました。
今後も、地域全体が“やりたくなる”ような「持続可能な地域づくり」に関わっていこうと決意しました。
「地域を持続可能にする」
3年・福島 丞生さん
<取り組みの概要>
町内のモノづくりの現場などへ訪問し、学び、その事業に携わる多様な人々の活動を紹介する『熊野町のお店探訪』に参画し、その成果発表として、KCPの活動の一つである“MPL(マイ・パレット・ラボ)”の会場でパネル展示を用いた発表を行いました。
また、筆まつりでは、筆文化への関心を深めるため、筆供養会場で企画した体験型生け花づくりでは、国内外からの来場者が生け花を楽しみました。


<生徒のコメント>
地域に根付く文化や伝統を見つめなおし、人々が誇りをもって関われるしくみを作ることで、交流が生まれ、地域全体の活性化につながると考えました。
「ふでりんLINEスタンプ化計画」
3年・平郡 優希さん
<取り組みの概要>
“熊野町”に興味・関心を持ってもらうきっかけとなるように、メディア利用によって広く情報が拡散できて、製作費もかからないグッズの開発に挑みました。
そこで、県内外にファン層が広がりつつある町の観光大使“ふでりん”を活用し、町内在住のイラストレーター・むかいあぐるさんの無償協力を得て、40種類のLINEスタンプの制作を実現しました。

<生徒のコメント>
LINEの使用頻度が高いと思われる中高生700人へアンケートを行ったことで、的確なニーズが把握できたと思います。
また、新聞やラジオなど、幅広い媒体で取り上げられたことで、多くの反響があり、メディアによる効果の絶大さを実感しました。
<「熊野町観光大使 ふでりん 第2弾」LINEスタンプ好評販売中!>
熊高生が開発にかかわったふでりんのLINEスタンプの詳細は町ホームページをご確認ください。

連載記事をお届けします!
公園施設(観光交流拠点)がオープンするまでの間、これまでの経緯や整備事業の進み具合、予定する事業内容への町民のみなさんからのコメントなど、様々な角度からの連載記事をお届けします。(次回(その22)は、5月に掲載する予定です。)