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ふでりん いきいき通信 Vol.24 オーラルフレイル の巻

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策により、日常生活をはじめ、さまざまな活動の自粛が続いている皆様に、

自宅で取り組める健康づくりや介護予防に関する情報などを高齢者支援課と健康推進課からお届けします。

コロナ対策が続く中、自宅で過ごすことが多くなるなど、活動が低下し、健康への影響を受けないために、ご活用ください。

第24回 オーラルフレイル の巻

新型コロナウイルス感染症による感染者数が若干減ってきたものの、依然として感染対策が必要な状況は続いています。

マスクをすることが当たり前になっている日常のなかで、お口のことをあまり気にかけなくなっていませんか?

他者から見られる機会が減っていることも、お口のことを気にかけなくなる要因の一つだと考えられますが、お口の機能が低下すると、

やがて全身の機能低下につながることが分かっています。

岸田首相は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、「2類相当」の扱いから季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる

方針を示しましたが、マスクの着用等、感染拡大防止対策はしばらく続きそうです。

マスクの着用が継続しても、お口を健康な状態に保つよう心がけることが重要です。

オーラルフレイル

オーラルフレイルとは、お口の機能のささいな衰えのことで、フレイルの前段階です。

 (フレイルは、健康と要介護の中間の虚弱状態のことで、放っておくと介護が必要な状態になります。)

オーラルフレイルチェックをしてみましょう!

 ・食事のときにむせる・食べこぼす

 ・食欲がない・少ししか食べられない

 ・やわらかいものばかり食べている

 ・以前より滑舌が悪くなった、舌が回らない

 ・口の中が渇きやすく、口臭が気になる

 ・自分の歯が少なくなってきた

 ・あごの力が弱くなってきた

 ・口の周りの容姿が気になる

 注:1つでもあてはまると、オーラルフレイルの可能性があります。

オーラルフレイルへの負の連鎖

お口の機能が衰えると、かたいものが食べにくくなり、

やわらかいものばかり食べるようになります。

そうすると、かむ機能が低下します。

やがて食事を楽しめなくなり、食欲も低下します。

食欲が低下すると、からだをつくる栄養素をしっかりと

吸収することができなくなり、低栄養になります。

低栄養になると、筋肉量が減るなど、からだの機能にも

影響し、やがて心身機能の低下につながっていきます。

オーラルフレイルへの負の連鎖

           東京都健康長寿医療センター 平野浩彦 作図

オーラルフレイルで高まる危険(健康な人との比較)        

身体的フレイル サルコペニア(筋肉量の減少) 要介護認定 総死亡リスク
2.4 2.1 2.4 2.1

(日本歯科医師会「歯科診療におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版」より)

注:オーラルフレイルは、早く気付いて対応すれば改善できます。

 早め早めの対策を心がけましょう!

オーラルフレイル予防の3本柱 

かむ力と飲み込む力の強化(お口の筋力アップ)

(1)唾液マッサージ

  唾液には、食べ物をまとめたり、細菌やウイルスを防ぐ作用もあります。食前に行うと効果的です。

 

  唾液腺の位置

唾液腺の説明のイラスト

1.耳下腺:上あごの奥歯のあたり

2.顎下腺:あごの下、内側のやわらかいところ

3.舌下腺:あごの先の内側

 

1.耳下腺のマッサージ

耳下腺マッサージのイラスト

上あごの奥歯のあたりで、耳たぶ前方の頬に親指以外の4本の指をあて、ぐるぐる回す。

(5~10回程度)

 

2.顎下腺のマッサージ

顎下腺マッサージのイラスト

あごの下、内側のやわらかいところを、耳の下からあごの先まで5カ所くらいを目安に親指で    突き上げるように押す。

(5~10回程度)

3.舌下腺のマッサージ

舌下腺のマッサージのイラスト

あごの真下から舌を突き上げるようにゆっくり強く押す。

(10回程度)

 イラストの出展:がんばらない作業療法士ブログ(https://tenpariot.com/lp/rihapic/) 

 

(2)舌の運動

  舌は、口の中で食べ物を移動したり、混ぜ合わせたり、のどの奥に送り込んだりする動きをしています。

  舌も筋肉なので、使わないと衰えてしまいます。舌の運動で、鍛えましょう!

舌の運動1のイラスト

1.舌を下に

舌の運動2のイラスト

2.舌を上に

舌の運動3のイラスト

3.舌を右の口角に

舌の運動4のイラスト

4.舌を左の口角に

右の1→3→2→4のような順番で、

唇の周りを舐めるように舌を回す。

 

(3)ぱたから体操・早口言葉

  パタカラ体操は食べ物を上手にのどの奥まで運ぶ一連の動作を鍛えるための運動です。

ぱのイラスト

【ぱ】の発音

 唇を閉める筋力を鍛え、食べ物が口からこぼれないようになります。

たのイラスト

【た】の発音

 上あごから下あごを打ち続ける動きで、舌の筋力を鍛え食べ物を押し潰す・飲み込む力をつけます。

かのイラスト

【か】の発音

 喉の奥に力を入れる動きで、食べ物を誤嚥せずに食道に送り込む力がつきます。

らのイラスト

【ら】の発音

 舌を丸めて舌先を前歯の裏に付ける動きで、食べ物を喉の奥へと運ぶための舌の力をつけます

 イラストの出展:がんばらない作業療法士ブログ(https://tenpariot.com/lp/rihapic/)

 

(4)ブクブク・ガラガラうがい

  ふだんから行っていることなので、続けやすい対策です。歯みがきと合わせて行いましょう!

ブクブクうがいのイラスト

【ブクブクうがい】

 頬や口の周りの筋肉を鍛え、舌をスムーズに動かす効果があります。

ガラガラうがいのイラスト

【ガラガラうがい】

 舌の奥の筋肉を鍛え、飲み込む機能を維持する効果があります。

 

(5)食事の際、ひと口30回かむ

よく噛んで食べるイラスト ひと口30回かんで食べることで、かむ力をアップしましょう!食べ過ぎの予防にもなります。

  

(6)1日2回、5分間ガムをかむ

ガムをかむイラスト

ガムをかんでかむ力をアップしましょう!

5分間、唇をしっかりと閉じてガムをかみます。(シュガーレスや、歯につきにくいガムを選びましょう。)

同じところだけでかまず、左右両側でまんべんなくかみましょう。

1日2回が目安です。

 

(7)おしゃべり

おしゃべりのイラスト

誰かと話しをすることで、お口まわりの筋肉を維持しましょう!

人と話しをする機会が増えると、うつ病や認知症の予防にもつながります。

かみ応えのある食品をとる(食事でお口の健口アップ) 
かたい

フランスパンのイラスト

フランスパン

ステーキのイラスト

ステーキ

おせんべいのイラスト

おせんべい

ふつう

ピザトーストのイラスト

ピザトースト

ぶりの刺身のイラスト

ぶりの刺身

ビスケットのイラストビスケット1のイラスト

ビスケット

やわらかい

サンドウィッチのイラスト

サンドイッチ

ハンバーグのイラスト

ハンバーグ

カステラのイラスト

カステラ

 注)可能な範囲で、かみ応えのある食品を選びましょう!

毎日のお口のお手入れを!(お口の清潔を保持しましょう!) 

(1)1日1回は10分~15分かけて歯磨きを!

歯みがきのイラスト

丁寧な歯みがきは、むし歯や歯周病を予防します。

歯ブラシは、鉛筆をもつように親指と人差し指で軽くつまむように持ちます。

できれば鏡を見ながら、1本ずつ丁寧に磨きましょう。

毎食後の歯みがきが難しくても、寝る前等、1日1回は丁寧な歯みがきを行いましょう!

 

(2)歯間や舌の掃除もしっかりと!

歯間ブラシのイラスト 

歯ブラシの毛先が届きにくい歯間もしっかりと磨きましょう!

デンタルフロスや歯間ブラシ等を上手に使うと効果的です。

ただし、自分の歯間のサイズに合うものを選ぶように注意しましょう。

舌の掃除のイラスト

舌が白くなっていませんか?白くなっているのは、舌苔(ぜったい)かもしれません。

舌苔は、細菌のすみかとなり、味がわかりにくくなったり、口臭などの原因になります。

舌ブラシ(なければ歯ブラシ)を使ってやさしく取り除きましょう。

(強くこすると炎症を起こす可能性があるので注意しましょう。)

 

(3)入れ歯のお手入れも忘れずに

入歯のイラスト

部分入歯のイラスト

入れ歯や部分入れ歯も、しっかりとお手入れしましょう。

毎食後、お手入れすることで、細菌の繁殖を抑え、炎症や口臭を防ぐことができます。

お手入れの際は、歯みがき粉を使わないように注意してください。

また、落として壊さないために、水をはった洗面器等の上で流水で洗いましょう。

入れ歯は、乾燥すると変形したりわれやすくなるため、寝るときや使わないときは、水を入れた容器で保管するよう

注意しましょう。

 

(4)定期的な歯科受診でメンテナンスを!

歯科受診のイラスト

定期的に歯やお口のチェックをする習慣を身につけるため、かかりつけの歯科を持ちましょう!

かかりつけの歯科は、過去の治療や本人の体質などを把握しているため、より良いメンテナンスが受けられます。

歯が悪くなくても定期的なメンテナンスで、健康なお口の機能を維持しましょう。

始めよう!食事でお口の健口アップ 

●基本は同じ、1日3食、3色食べましょう♪

主食

米・食パン・うどん・芋

主菜

肉・魚・卵・豆腐・納豆

副菜

野菜・きのこ・海藻

 主食のイラスト

主菜

副菜

ポイントは、かむ回数を増やす!そのためにできることは・・・

1.食べる回数(1日3回)の維持

2.色々な食材、食品の組み合わせ

調理の工夫によって、かむ回数を増やすことができます

かむ回数 30回 54回 70回

(工夫例)

やわらかい

+

かみ応え

卵焼き

卵焼きのイラスト

えのき入り卵焼き

卵焼きとえのきのイラスト

ベーコンエッグ

ベーコンエッグのイラスト

材料の切り方で、かむ回数がちがいます。

トマトのイラスト

丸ごとのトマトを

かむ回数

100%とすると・・

半分のトマトのイラスト

1/2カットで

かむ回数は

約12%減

トマト1/4のイラスト

1/8カットで

かむ回数は

約40%減

体にやさしいレシピ  

ブロッコリーおかかチーズ

  ブロッコリーの旬は11~3月です。加熱時間を短めにすることで、かむ回数が増えます。

 茎も栄養たっぷりです。おかかとチーズの合わさったうま味が、絶品の一品です♪

ブロッコリーおかかチーズの写真

【材料】1人分

・ブロッコリー  1/3(100g)

・削り節     2g

・スライスチーズ 1枚

・しょうゆ    小さじ1    

 

【作り方】

1 ブロッコリーをひと口大に切り分ける

 (冷凍なら切る手間なし)

2 耐熱の器にブロッコリーを広げて入れ、水(大さじ1)をふる。

  (冷凍なら水なし!)

  ふんわりラップをかけて電子レンジ(600w)で約2分加熱。

  竹串を刺し、かたいようなら再加熱(30秒)する。

   しめじを入れ、炒め合わせる。

3 ラップを外し、気になれば水気をきり、熱いうちにスライスチーズ

  1枚をちぎってのせ、削り節を散らし、しょうゆ小さじ1を全体に

  かける。

 エネルギー:99Kcal

  たんぱく質 :9.6g

 塩分   :1.4g

 (1人分あたり)

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熊野町健康福祉部 高齢者支援課

TEL/082-820-5605   FAX/082-854-8009

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