ゆるぎ観音一帯の遊歩道や里山整備を実施しています
ゆるぎ観音森づくり実行委員会により、ゆるぎ観音一帯の遊歩道や里山整備を実施しています。
ゆるぎ観音とその一帯(ゆるぎ岩、観音堂、摩崖仏を含む一帯)は、熊野町の北西部に位置しており、隣接する海田町とは赤穂峠の山頂で接しています。
観音堂や摩崖仏など多くの文化財が存在しており、町は、ゆるぎ岩、観音堂、摩崖仏を含む一帯を平成元年12月1日に町の指定重要文化財(第4号)に指定しています。
また、当該地を起点とした遊歩道は緩やかな勾配であり、地元ボランティアによって多くの利用者が気軽に森林と触れ合える里山散策コースが整備されており、古くから親しまれてきました。
赤穂峠からの眺望は、広島市内市街地を一望することができ、広島市内近郊の景観資源としても大変すぐれています。
〇取組のきっかけ・経緯
平成30年7月豪雨によって、遊歩道が寸断される等の大規模な被害を受けました。
地元ボランティアが懸命に作業し、現在でも地元ボランティアが懸命に作業を継続していますが、復旧の見込みが立たないような状況です。
このように恵まれた地域資源を保ち、後世に残していくとともに、森林保全活動の重要性が認識されるよう、町では平成30年度から準備を進め、令和元年度から3か年の事業計画で広島県の「ひろしま森づくり事業」を活用した遊歩道や里山の整備に取り組んでいます。
〇主な取組の内容
事業主体は、地元ボランティア団体「くもの会」と、熊野町、熊野町教育委員会を母体とした「ゆるぎ観音森づくり実行委員会」です。
令和元年度は、里山散策者用の駐車場に堆積した土砂と流木約5,000㎥の撤去を実施した後、遊歩道普及のための作業道整備を実施しました。
また、ゆるぎ観音森づくり実行委員会によって、令和元年7月6日以降、草刈や伐採作業を計9回実施し、延べ参加者は41人でした。
〇今後の展開
令和2年度以降も遊歩道の整備や徐・間伐、枯損木を撤去し、また、散策しやすいよう標識等の整備を実施していく予定です。
令和3年度の事業完了後は、ゆるぎ観音森づくり実行委員会により、保全管理や清掃活動を実施し、ウォーキングイベント等と連携して、森林保全に対する啓発活動を実施していく予定です。
〇ゆるぎ観音一帯は町の恵まれた地域資源
ゆるぎ岩は、長さ5尺、高さ7尺の大岩で、微妙なバランスで重なった岩を、昔は大人が片手でゆり動かせたと言われます。
ゆるぎ観音は、慶応年間に水木嘉右衛門氏が住民から浄財を集めて建立した観音堂で、今日まで多くの参拝者でにぎわっています。
摩崖仏は、水木嘉右衛門の発願で、明治初年から一体ずつ刻まれたものです。
西国三十三観音に倣った三十三体に、番外の三体を加えた三十六体にの摩崖仏が大正初期に完成しました。
苔むしで様々な表情を浮かべた摩崖仏は、信仰の地にふさわしい静寂の中にたたずんでいます。