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ハイノキ

ハイノキ

 
 滑らかで小さく上品な葉に、真っ白な花が映えます。
 花期は5月頃。深く5裂した合弁花で、直径1~1.2cm。雌しべは1個、雄しべは多数でよく目立ちます。葉の腋から花序を出し、 3~6個の花をつけます。花には細長い柄があります。
 果実は卵形で、長さ7~8mm。10~11月に熟して、紫黒色になります。
 葉は互生。無毛で、縁には低い鋸歯があります。表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、のっぺりしていて側脈は見えません。葉先は長く尾状に伸びています。長さ1cmほどの葉柄があります。
 常緑で、枯れ葉は黄色になります。乾燥させた葉は、菓子や餅を黄色く染めるのに用いられました。
 樹皮は暗褐色。高さは普通5m、最大10mほどです。
 近畿地方以西から九州の屋久島まで分布。県内では主に海抜400~700mの吉備高原面に分布し、モミ・ツガ林や渓谷のウラジロガシ林に多く生育します。熊野町では、南東部の石嶽や石岳山などに分布がほぼ限られています。矢野の絵下山には多く見られます。
 枝葉を燃やすと、染色の媒染剤に適した良質の灰が多量にとれるため、「灰の木」の名が付きました。
 別名は、イノコシバ。枝が細く粘り強いため、捕えたイノシシの足を縛るのに使ったからだと言われます。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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