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オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ

 
 いぬふぐり星のまたたく如くなり(高浜虚子)。俳句のいぬふぐりは、オオイヌノフグリを指しています。ぱっちりと開いた美しい青い瞳。千葉県では「星の瞳」の名があります。
 日だまりで真っ先に春を知らせてくれる里の花。熊野では2~4月頃咲きます。
 花は日が当たると開きます。虫が花粉を媒介しますが、虫が来なくても受粉する仕組みも備えています。2本の雄しべが内側に曲がって雌しべに触れ自家受粉するのです。こうして確実に種を作り分布を広げます。
 西アジア原産の2年草で、明治20年頃東京で発見され、現在では日本各地でごく普通に見られます。
 茎は根元で枝を分け、地面を這うように広がっています。葉は茎の下部では対生、上部
では互生します。
 花は上部の葉腋から1本ずつ出た細長い柄の先に1個ずつ咲きます。直径8~10mmの皿型で深く4裂し、1片はやや小さく淡色です。1つの花は1日だけで、午後花に手を伸ばすとぽろっと落ちてしまいます。毎日新しい花ばかりで綺麗です。
 フグリは陰嚢の古語です。イヌノフグリは花が小さく淡紅紫色で目立たず、犬の陰嚢に似た丸みのある実から名が付き、こちらは花などが大きいので「大犬の陰嚢」となりました。実は、やや平たいハート型です。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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