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マンリョウ

マンリョウ

 艶やかな赤い実が美しく、「万両」の名も縁起が良いため、庭木や鉢植え、お正月の飾りなどにします。
 19世紀の初め頃からマンリョウと呼ばれ、江戸後期の文政から「万両」の字が定着し始めたと言われます。常緑で高さは普通1m以下ですが、庭では30年伸び続け、2.1mを記録しました。
 葉は互生し、縁は波状の鈍鋸歯です。鋸歯の間のへこんだ所にぷつっと膨らみがあり、葉瘤菌が共生しています。空気中の窒素を固定して植物に与え、植物から水分や養分を得ています。葉瘤菌は主に熱帯の植物に見られ、日本では稀です。同じ仲間のカラタチバナにも見られます。
 7月頃、直径8mmほどの白い花が前年出た枝の先に集まって咲きます。
 実は垂れ下がり直径6~8mm、晩秋赤く熟します。鳥の好物ですが、地面近くで食べないと次の冬まで残っています。実生でよく発芽します。
 江戸時代に多くの園芸種が作られ、葉の斑入りや白い実のものなどがあります。
 関東以西の暖地に分布。町内の山でも見かけますが、真の自生でなく栽培品の逸出ではないかと思います。
 上蒲刈島の七国見山で、枝が長く葉も大きくて鋸歯が目立たない型を見ました。「高知県植物誌」記載のオオバマンリョウで、これが本来の自生かと思われます。

【写真・文】緑花文化士 冨沢由美子

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