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ヤブムラサキ

ヤブムラサキ

 
 紫式部の仲間、薮紫の実です。10~11月に紫色に熟し、落葉後も残ります。ムラサキシキブに比べると、実の数は少ないけれど大きめで直径4~5mm。深く4裂した萼が残っています。
 10倍のルーペでのぞいてみました。萼の外面に分岐した灰白色の毛が密生している様子は、葉を落とした冬の林に見えました。実の表面は微細な網目模様で、新たな美を発見しました。
 花は6月頃。葉腋から柄を出し群がってつきます。紅紫色の筒状で、先は4裂し裂片が開きます。外面は白い軟毛が密に生えます。同じ場所では、ムラサキシキブより少し早く咲きます。
 葉は対生し、長さ5~13cm。基部はやや円形で、先はしだいに細くなります。鋸歯は目立ちません。分岐した軟毛などを密生し、ビロード状の手触りが特徴です。晩秋、黄葉します。
 冬芽は鱗片のない裸芽で、分岐した毛が密生する幼い葉が向かい合っています。
 宮城県以南の本州、四国、九州に分布し、高さ1.5~3m。やや湿った半日陰を好みます。熊野町では、比較的よく見かけます。
 金の鉱床が確認されている場所の植物を分析したところ、特にヤブムラサキの葉に金の含有量が多いことがわかり、金鉱脈の探査植物として期待されています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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