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ウワミズザクラ

ウワミズザクラ

 
 名の由来は、昔、亀の甲を焼き、できた裂け目で吉凶を占う亀卜に、この材の上面に溝を彫って使ったので「上溝桜」だと言われます。鹿の肩甲骨の裏側に溝をつけて焼く古代の占いで、この木を燃やしたため「占(裏)溝桜」との説もあり、どちらも、ウワミズザクラに転訛したとされています。古名は「波々迦」。
 花は熊野では4月下旬頃。今年伸びた枝先に、白い花が多数密集して咲きます。花びらは5枚。雄しべ約30本と雌しべ1本が花びらより長く突き出し、全体の形は瓶を洗うブラシの様です。ブラシ状の花の下に数枚の葉が互生するのが特徴です。
 果実は7~8月、黄、赤、黒と熟し甘くて食べられます。果実酒は鎮咳、疲労回復に効果があるそうです。新潟では、蕾や若い果実を穂のまま塩漬けにし「杏仁子」の名でお茶請けなどにします。
 晩秋、小枝の大部分が脱落し、枝に落枝痕ができます。翌春、その節の横から小枝が伸びるという特性があり、枝は節くれ立って、葉を落とした冬の姿は特徴的です。紅く艶があり美しい冬芽も魅力があります。
 ほぼ全国の山に分布する落葉高木です。町内では原山や三谷川などに見られますが多くはありません。初神の倉田医院近くの川岸が分かりやすい観察地点です。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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