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ミヤコイバラ

ミヤコイバラ

 
 木々が葉を落とし冬が訪れた野山で、ひときわ目を引くのがミヤコイバラなどノイバラ類の赤い果実です。
 しかし、植物学的に厳密にいうと、これは果実ではありません。果実とは、雌しべの下部の子房という部分が成熟したものを指します。子房に萼など子房以外の部分が加わって大きくなり果実のように見えるものは「偽果」または「仮果」と呼ばれます。リンゴ、ビワ、イチジク、ザクロなども偽果になります。
 バラ科バラ属の偽果は、萼の下半部の萼筒が肥大し、種子のように見える小さな果実を包んでいて「バラ状果」と呼ばれます。
 「バラ」の名は、「万葉集」の「荊」から転訛したとされていますが、「荊」はイノバラだと言われます。
 都茨は、ややつる性の落葉低木で茎に鉤形の刺があります。葉は互生し、長さ5~12cmの奇数羽状複葉です。小葉は5~9枚あり、両面とも無毛です。
 花は5~6月、白い花が枝先に多数集まって咲きます。花びらは5枚で先はへこみ、直径は2cmほどです。多数の雄しべがあり、雄しべの先の葯は黄色です。
 バラ状果は、直径6~7mmの卵球形で赤く熟します。
 ノイバラ類のうち町内でよく見られるのは、ノイバラとミヤコイバラです。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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