セスジスズメ

写真は、体長5~6cmの成熟した幼虫です。円い紋と白っぽい筋があります。この後土にもぐり、最後の脱皮をして蛹になります。
蛹の体内では、幼虫の時に蓄えた養分で成虫としての体の器官がつくられます。
蛹で越冬し、5~6月ごろ羽化して成虫の蛾になります。夕方から夜に活動します。メスは交尾後、飛びながら幼虫が食べる草に卵を1個ずつ産みつけます。
1週間ほどで黄緑色の小さな幼虫が出てきます。幼虫には尾角という1本の突起があります。脱皮を繰り返して育ちます。若い幼虫は黒い地に黄色や橙色の円い紋が1列に並んでいます。
幼虫はサトイモ科のサトイモ、ブドウ科のツタやヤブガラシ、アカバナ科のマツヨイグサの仲間、ツリフネソウ科のホウセンカなどの葉を食べます。
成熟すると蛹を経て、7~8月ごろ羽化し産卵します。このようなサイクルで年に2回成虫が発生します。
日本各地に普通に見られる中型のスズメガで、はねを開くと55~70mm。褐色で、前ばねに幅広のはっきりした黒い帯があり、並んで白い帯があります。体は太い流線型で、背の中央に2本の細くて白い筋があります。
コスズメがよく似ていますが、前ばねに太い黒帯がなく、体の背に明瞭な白い筋がありません。
【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子