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キヅタ

キヅタ

 
 晩秋に見事に紅葉する蔦に比べ、木の性質が強いので木蔦の名が付いています。常緑で冬も葉があるので、冬蔦の別名もあります。蔦は別名夏蔦でブドウ科です。
 冬、落葉樹が幹に分厚い緑の衣をまとった姿が目を引きます。緑の衣がキヅタです。つるから根をびっしりと出して幹に付着します。この根は気根と呼ばれ、幹から水分を奪ったりはしません。つるは、太くなると直径6cm以上にもなります。
 葉は互生し、やや厚く光沢があります。長さは3~7cmで長い柄がついています。若い枝の葉は3裂か5裂しますが、花をつける枝の葉は卵円形で裂けません。
 10~11月頃、枝先に多数の小さな花が丸く集まって咲きます。花びらは黄緑色で5枚、雄しべは5個、直径は7mmほどです。花には、ハエやハチの仲間が訪れて受粉を助けます。
 実は翌年の3~5月に黒紫色に熟し、ほぼ球形で直径は6~7mmくらいです。
 北海道南部より南の標高の低い所に分布し、熊野町では普通に見られます。
 葉が大きく公園などの地面を覆っているのはキヅタ属(ヘデラ)の園芸種です。
 欧州の神話にはヘデラを絡めた杖を持つ酒神が出てきます。葉を噛むと二日酔いを防ぐとされ、ヘデラの輪を居酒屋の目印としたり、結婚式にも用いたそうです。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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