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ガヤドリナガミツブタケ

ガヤドリナガミツブタケ


 「冬虫夏草」は、冬には虫で夏には草(キノコ)になるという意味で、古代中国で付けられた名前です。
 ガヤドリナガミツブタケは、ガの成虫を宿主として寄生する冬虫夏草で、世界に広く分布しています。ガの表面から角状で長さ3~7mmの小さなキノコが群生します。今までに8回見ていますが、7回が熊野町内です。どれも、やや小型のガに寄生していました。
 これは成熟したキノコで、09年6月に初神で写しました。キノコ上部の淡黄色の粒々は子のう殻と呼ばれ、中の子のうという袋状の細胞で胞子がつくられます。
 麦角菌科の冬虫夏草属の仲間は世界に300種以上あり、半数は日本にも分布します。
 ほとんどは昆虫やクモなどに寄生するため「虫生菌」と呼ばれます。町内では、スズメバチの成虫から発生したハチタケ、地中のセミの幼虫から発生したオオセミタケなどを見ています。
 寄生された昆虫は死んでしまうので、虫生菌は昆虫の天敵です。ミツバチなどの益虫を守るため、また逆に害虫の駆除のため虫生菌の研究が進められています。
 本来の冬虫夏草は、中国南部の山岳地帯で蝶類の幼虫に生える種類です。不老長寿の薬として有名ですが、現在では抗がん性などの薬効も研究されています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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