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ナツハゼ

ナツハゼ
 
 小さな鈴がぶつかり合ってチリンチリンと澄んだ音が聞こえてくるようです。
 5~6月、枝先に花軸を横に伸ばし、鐘型の花を下向きにつけます。長さ4~5mmの小さな花は5つに浅く裂け、裂片は少し反り返っています。普通赤みを帯びた淡黄緑色ですが、写真のような赤い花もあります。
 実は6~7mmの球形で、10~11月ごろ黒く熟し、枝先に集まってぶら下がっています。かつて子どもたちは、むしり取っては食べ、口を青黒く染めていました。甘酸っぱく美味しい山の幸です。ジャム、果実酒などにも利用します。
 実の上部には、ウメの紋を型押ししたようなかわいい模様があります。これは萼の落ちた跡です。この部分を鉢巻に見立てたハチマキイチゴの方言が、庄原市や三次市など広く見られます。
 熊野町では、ケツツマリ、ドンツウ、イド、ダンバラなどと呼ばれていました。
 ナツハゼの名は、初夏にハゼノキのように紅葉するので付いたとの説があります。秋の紅葉も美しく、花材として用いられます。
 葉は互生し、長さは3~5cm。縁に細鋸歯状の毛、両面に粗い毛があって、ざらつくのが特徴です。
 北海道から九州に分布。花崗岩の土地を好み、アカマツ林などの乾いた所に多く見られる落葉低木です。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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