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ヤマジノホトトギス

ヤマジノホトトギス
 
 「杜鵑草」の名は、花が白地で紫色の斑紋があり、鳥のホトトギスの胸の模様に似ているため付いたとの説が有力です。しかし、この仲間には黄花の種類も日本に8種ほどあります。
 山路の杜鵑草は日本の特産で、北海道から九州まで広く分布し山の適度な湿り気のある所に生えています。 
 県内の花期は7~9月、熊野では8~9月です。花は葉の腋に1~3個ずつ上を向いて咲き、直径2.5cmほどです。花びらが水平に開くのが特徴の一つです。
 外側の3枚の花びらは下部がふくらんでいて、蜜がたまっています。花の中央の紫色の大きな斑紋は、この奥に蜜があるよと虫に知らせる蜜標です。花を訪れたマルハナバチなどの背に上の雄しべ雌しべが触れて、受粉させる仕組みになっているのです。
 茎は長さ30~60cm、斜め下を向いた毛があります。葉は互生し、無柄で茎を抱くようについています。
 よく植えられているホトトギスは、茎の毛が上向きで葉の両面が多毛です。ヤマホトトギスは、茎の先に花柄が枝を分けて数個の花をつけ、花びらが下に反り返ります。セトウチホトトギスは、花が水平に開きますが蜜標が黄色です。これらは、県内には分布しないか稀な種類のようで、私はまだ見たことがありません。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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