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ヤブジラミ

ヤブジラミ
 
 6~7月頃、セリに似た白い花が咲きます。枝先に一ヶ所から数本の枝が出て、それぞれに4~13個の小さな花を密集してつけます。   
 写真は若い実です。実は熟すと褐色になり、衣服に絡みついて本当に厄介です。薮に生え虱のようにとりつくのでヤブジラミの名が付いています。何とも気の毒な名前に思えますが、この草にとっては作戦どおりの効果があることを示す名誉な名前かもしれません。
 植物にとって、分布を広げるための種子散布は大切な営みです。風や水の流れ、動物などを利用します。
 動物を利用する方法の一つが、動物の体にくっついて運んでもらう作戦です。粘液でくっつく植物もありますが、ヤブジラミは実の全面に先の曲がったトゲ状の毛を密生させています。    
 日本全土に分布する二年草で、高さは30~80cmほど。葉は羽状に複雑に裂け、ニンジンの葉に似ています。
 セリ科のヤブジラミ属の仲間は世界に15種日本に2種あり、熊野町で2種とも普通に見られます。
 雄ヤブジラミは、実がヤブジラミより大きいので付いた名です。ヤブジラミとは、花が4~5月と早く、花や実が少なく密集してつかないこと、茎や実が紫色を帯びることなどで区別することができます。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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