ウグイスカグラ
細長い柄の先に淡紅色の花を提灯のように吊り下げます。花の長さは1cm余りで、5つに裂けて開きます。
実は長さ1cmほどの楕円形で、6月に真っ赤に熟し食べられます。水分が多く少し甘みがあります。
葉は対生します。勢いよく伸びた長い枝では、葉柄の枝につく部分が広がって反対側とつながり刀の鍔のようになります。鍔状の部分と細長い果実の柄は葉が落ちた後も残り、冬の良い観察ポイントになります。
日本特産で、本州、四国、九州に分布する落葉低木です。庭に植えたりします。
枝を分けて茂るため鶯がよく隠れるそうです。「鶯神楽」の名については、鶯の踊りはねるような動きを神楽踊りに見立てたという説がありますが定説はありません。「隠れ」や狩場を意味する「狩座」が「カグラ」に転訛したのではないかとも言われます。
別名、ウグイスノキ。古い書物の「大和本草」には「ウクイスノ始テ啼時ニ此花モサク故ニ名ツケシニヤ」とあります。花期は3月終わりから5月初め頃で、鶯の初音の頃とは少しずれている気もします。
全体無毛のウグイスカグラ、葉が有毛のヤマウグイスカグラ、腺毛のあるミヤマウグイスカグラと分けたりします。腺毛は、先が丸く粘液を出す毛のことです。
【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子