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ヒイラギ

ヒイラギ
 
 11~12月、純白の清楚な花が咲き上品な匂いがします。花は4つに深く裂け、花弁がそり返ります。雄しべは2本、雌しべは1本。写真は雄花で、雌しべは短く退化しています。雄しべ雌しべの発達した両性花には、翌年の6~7月ごろ長さ1cm余りの楕円形の実が黒紫色に熟します。
 葉は対生し厚くて硬く、鋸歯は鋭くとがりトゲ状です。「柊」「疼木」と書きます。葉のトゲに当たると疼ぐ(ひりひり痛む)ことから名が付いています。
 節分には、ヒイラギの枝に鰯の頭を刺して門や戸口に飾る風習が、関東以西の各地にあります。葉のトゲが鬼の目を突き、侵入を防ぐと考えられたようです。オニノメサシ、メツキシバなどの方言が和歌山県などに見られます。悪い病いを防ぐ魔除けの力があるとも信じられ、古くから庭に植えられてきました。
 老木では、葉は楕円形で鋭いトゲはなくなり、まったく別物のように見えます。
 常緑の小高木です。標準の高さは3mほどで、時に高さ10m直径30cmに達します。新宮区屯田の益永透さん宅には直径57cmほどの大木があり、熊野町の天然記念物に指定されています。
 町内の山で見かけるのは幼木が多く、時に高さ3mほどの木がありますが、大木を見たことはありません。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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