土地に対する課税のしくみ
(1) 土地に対する課税
(ア) 評価のしくみ
固定資産評価基準によって、売買実例価額を基に算定した正常売買価格(売り急ぎや買い進みなどの不正常要素を除いた価格)を基礎として、地目別に定められた評価方法により評価します。
なお、熊野町の宅地の評価方法は、「市街地宅地評価法」を採用しています。
(イ) 地目
地目は、宅地、田および畑(併せて農地といいます。)、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野並びに雑種地(その他の土地)をいいます。
固定資産税の評価上の地目は、登記簿上の地目にかかわりなく、その年の1月1日(賦課期日)の現況の地目によります。
(ウ) 地積
原則として登記簿に登記されている土地については、登記されている地積によって認定します。
なお、熊野町では国土調査法による地籍調査の結果(地積の増加分)を一部の土地(地番)に反映していませんでしたが、平成27年度から調査が完了したすべての土地(地番)にその結果を反映させています。
(2) 住宅用地に対する課税標準の特例
住宅用地は、その税負担を特に軽減する必要から、その面積の広さによって、小規模住宅用地と一般住宅用地に分けて特例措置が適用されます。
ただし、空家等対策の推進に関する特別措置法の規定により、所有者等に対し「勧告」がされた特定空家等の敷地の用に供されている土地は、特例の適用がありません。
(ア) 小規模住宅用地
200平方メートル以下の住宅用地(200平方メートルを超える場合は住宅1戸あたり200平方メートルまでの部分)を小規模住宅用地といいます。
(イ) 一般住宅用地
小規模住宅用地以外の住宅用地を一般住宅用地といいます。たとえば、300平方メートルの住宅用地(一戸建住宅の敷地)であれば、200平方メートル分が小規模住宅用地で、残りの100平方メートル分が一般住宅用地となります。
一般住宅用地の課税標準額については、価格の3分の1の額とする特例措置があります。
(ウ) 住宅用地の範囲
特例の対象となる住宅用地の面積は、家屋の延床面積の10倍を限度に、下表のとおり、居住部分の割合に応じた率を乗じて求められます。家屋の区分には、次の二つがあります。
・専用住宅…専ら人の居住の用に供する家屋
・併用住宅…一部を人の居住の用に供する家屋
住宅の敷地の用に供されている土地とは、その住宅を維持し、またはその効用を果たすために使用されている一画地をいいます。
したがって、賦課期日(1月1日)において新たに住宅の建設が予定されている土地あるいは住宅が建設されつつある土地は、住宅の敷地とはされません。
住宅用地の範囲 |
||
家屋の区分 | 居住部分の割合 | 住宅用地の率 |
1.専用住宅 | 全部 | 1.0 |
2.3以外の併用住宅 | 1/4以上、1/2未満 | 0.5 |
1/2以上 | 1.0 | |
3.地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 | 1/4以上、1/2未満 | 0.5 |
1/2以上、3/4未満 | 0.75 | |
3/4以上 | 1.0 |
(3) 税負担の調整措置
平成9年度の評価替え以降、課税の公平の観点から、地域や土地によりばらつきのある負担水準(今年度の評価額に対する前年度課税標準額の割合)を均衡化させることを重視した税負担の調整措置が講じられ、宅地について負担水準の高い土地は税負担を引き下げまたは据え置き、負担水準の低い土地はなだらかに税負担を上昇させることによって負担水準のばらつきの幅を狭めていく仕組みが導入されました。
現在も下表のとおり負担調整措置が継続されています。
(A=今年度の価格から算出した課税標準額、B=前年度の課税標準額)
宅地等(農地以外の土地) | ||
区分 | 今年度の価格から算出した課税標準額(A) |
今年度の課税標準額の算出方法 |
小規模住宅用地 | 今年度の価格×1/6 |
(1)1.0以上→A (2)1.0未満→B+A×0.05 (上限A、下限A×0.2) |
一般住宅用地 | 今年度の価格×1/3 |
(1)1.0以上→A (2)1.0未満→B+A×0.05 (上限A、下限A×0.2) |
非住宅用地 | 今年度の価格×0.7 |
(1)0.7超→A×0.7 |
雑種地等(宅地比準土地) |
農地 | ||
区分 | 今年度の価格から算出した課税標準額(A) |
今年度の課税標準額の算出方法 B/Aの割合→今年度の課税標準額 |
市街化区域農地 | 今年度の価格×1/3 |
(1)0.9以上→B×1.025(上限A) |
(4) 住宅用地に関する申告について
次に該当する土地を所有する人は、住宅用地の特例に関連し、1月1日現在の土地の利用状況などを申告してください。
(ア) 利用状況に変更があった土地
住宅の新築や取り壊し、店舗・事務所から住宅への改築などが行われた土地は、住宅用地の認定が変わります。
(イ) 住宅建て替え中の住宅用地
建て替えのため住宅を取り壊し、1月1日時点で新住宅が完成していない土地についても、一定の要件に該当すれば、住宅用地として取り扱います。
参考図書 一般社団法人 資産評価システム研究センター 編集・発行 「固定資産税のしおり」