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ウラジロ

うらじろの写真
 
 お正月の注連(しめ)飾りや重ね餅などに欠かせないウラジロです。葉の裏が目立って白いので「裏白」の名が付いています。裏に白い星状毛が密生しているためですが、やがて落ちてしまい古い葉では白くありません。
 葉が枝垂(しだ)れるので、古くからシダと言えば普通ウラジロを指し、熊野町でも「シダ」と呼んでいました。
 常緑で高さ50~200センチメートルの大型で多年生のシダです。シダは種ではなく胞子で繁殖します。福島県、新潟県以南の暖地に分布。山のやや乾いた所に生え、根茎が長く地中をはって広がり大き
な群落になります。
 長く硬い葉柄は茶褐色で艶があります。編んで盆や籠(かご)など細工物に用いました。
 ところで、なぜウラジロがお正月の飾りに使われるのでしょうか。幾つかの説があるようです。
 葉柄の先に翼のように2枚の葉を広げています。その分岐点に芽があり、翌年の初夏ここから柄を伸ばし、また2枚の葉を広げます。このように代を重ねて伸びるので、代々子孫が続くことを願って飾るという説。「諸葉(モロバ)」「諸向(モロムキ)」と呼ぶ地方があります。2枚の葉を同じ向きに広げている形を夫婦和合に見立てたという説。
 江戸時代にホナガの名があり、長い稲穂に見立て稲のシンボルとして飾ったという説などがあります。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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