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タムシバ

タムシバのしゃしん
 
 4月に入った頃、真っ白いクリスマスツリーのような木が山に浮かび上がります。葉の出る前に枝先に白い大きな花をつけるからです。よく咲くと遠くからでも目立ち、多い所では雪が降ったように見えます。コブシと呼ばれていますが熊野町の山にあるのは、このタムシバです。よく似ていますが、幾つかの点ではっきり違っています。
 タムシバは花が純白で、花のすぐ下に小さな葉がありません。葉は笹のような形で、裏が粉白色。花も葉もない冬には小さな葉芽をみます。無毛です。アカマツ林などの尾根や斜面に生育し県内に広く分布します。
コブシは花がややクリーム色を帯び、花のすぐ下に小さな葉があります。葉は幅広く、裏は淡緑色。葉芽に伏した毛があります。やや湿地を好み、県内では北部の800メートル以上に少し分布しています。
 タムシバは葉に精油を含んでいて芳香があり、噛むとかすかな甘味があるため「噛む柴(カムシバ)」からタムシバの名になったと言われます。 ニオイコブシの別名があり、枯れた枝葉でも匂います。
果実が集まった集合果は拳(コブシ)のような形で、秋に熟すと果実が裂けて赤い種が白い糸で吊り下がります。
 よく咲いた翌年は休みます。今年は花の多い年のはずなので期待しています。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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