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ウラジロノキ

ウラジロノキのしゃしん

 葉の裏が白いので「裏白の木」。白い綿毛がびっしりと密生した葉の裏は、落葉になってもそのままで、ひときわ目立ちます。乾燥すると、裏を外側にして巻きます。写真は10月下旬の撮影ですが、冬でも同じ状態です。葉は幅広の楕円形で、長さは6~13センチメートルほど。浅く裂け、粗いぎざぎざがあります。
 樹皮も特徴的です。灰褐色で、菱形の裂け目が点在し、縦に裂けます。老木では鱗状にはがれてきます。
 秋に熟した実が、地面に落ちていました。長さ1センチメートルほどの楕円形で、紅色や橙黄色。点々と白い皮目がついています。果肉は橙黄色。食べてみると、じゃりじゃりしていて食用には向かないようです。細胞壁が硬くなったせき石細胞があるためです。野鳥には大切な食料です。
 花は、熊野町では5月ごろ。白色で直径は1~1.5センチメートル、花びらは5枚で、短枝の先に集まって咲きます。
 落葉高木で、高さ10~20メートル。葉は互生し、短枝では集まってついています。
 日本の固有種で、本州、四国、九州の山地から亜高山帯に分布します。県内全体に広く生育し、熊野町でもよく見かけます。
 よく似ているアズキナシは、葉がほとんど無毛。実は一回り小さく、熊野町ではあまり見られません。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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