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マルバノホロシ

マルバノホロシのしゃしん

 晩秋。初神の三谷川に沿って奥へ入ってみましょう。堰堤を過ぎ細い流れを渡って歩いていくと、左に大きなハゼノキが紅葉しています。左側に注意して進むと、マルバノホロシの透き通ったように見える赤い実が目に入ります。球形の実は直径7~10ミリメートル。長く伸びるつる性の多年草で、つるは無毛です。全体が有毒です。
 「マルバ」といっても葉は円くはなく長楕円形。両端は次第に細くなっています。「マルバ」は葉が裂けていないという意味です。
 「ホロシ」の語源は「保呂之の字などが当てられているものの由来は不明」とする説や「赤い実が皮膚にできるホロシに似ている」とする説があります。
 花は8~9月頃。淡紫色で深く5裂し、直径1センチメートルほどです。裂片は開くと反り返ります。花のつく枝は、葉の反対側、または節と節の間の茎の途中から出ていて、まばらに花をつけます。
 関東以西の山地に生え県内でも割によく見られますが、熊野では稀で三谷川と海上川に少しあるだけです。
 同じナス科ナス属のヒヨドリジョウゴは町内にも多く、赤い実はそっくりです。でも、裂けた葉が混じっていて茎や葉に軟毛や腺毛が密生し目立つので、すぐ見分けられます。こちらも有毒です。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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