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ウマノスズクサ

ウマノスズクサ
 
 花は、実にユニークです。6~8月、葉の脇から1個ずつ花をつけます。長さ3センチ余り。花びらはなく、ガクが筒状でラッパ形に開き、先は斜めに切られたような形です。内側は紫褐色で軟毛があります。花が曲がっているのは、もぐりこんだ昆虫を簡単に出られないようにして、受粉を確実にするために役立っています。
 球形の果実が、馬の首につける鈴に似るので「馬鈴草」の名が付いています。果実の直径は1.センチほどです。
 つる性の多年草で、畔や川の土手などに生えます。葉は互生し、長さ3~7センチ。茎や葉は無毛です。地上部は、冬には枯れます。
 ウマノスズクサ属の学名は、アリストロキア。出産の痛みを和らげるため、この属の植物が用いられたことによる名です。ウマノスズクサも、根を虫や蛇の解毒に、果実は解熱、せき止めに利用されました。
 ジャコウアゲハの幼虫は、ウマノスズクサ属の植物だけを食べます。この仲間には、アリストロキア酸という毒性の強い物質があり、多くの動物は食べられません。ジャコウアゲハは、この物質に対する解毒酵素を持っているので平気なのです。そのうえ、産卵の刺激物質として利用しています。しかし、この属の植物が絶滅すると、ジャコウアゲハも絶滅してしまうのです。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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