○熊野町ネーミングライツ事業実施要綱
令和7年8月22日
告示第115号
(目的)
第1条 この要綱は、町の所有する公共施設等の名称に、法人名又は商品名等を「愛称」として命名する権利を付与することにより、施設の長期的、継続的な運営基盤を確立するための新たな財源を確保し、もって町民に親しまれるとともに、施設の魅力向上により町民サービスの向上を図ることを目的とする。
(1) ネーミングライツ 町が所有する公共施設等の全部又は一部(以下「施設」という。)に、愛称を命名する権利のことをいう。
(2) 愛称 ネーミングライツパートナーが施設に命名する名称をいう。
(3) 民間事業者等 法人、その他の団体をいう。
(4) ネーミングライツパートナー 第13条の規定により、町と契約を締結し、ネーミングライツが付与された民間事業者等をいう。
(5) ネーミングライツ料 町がネーミングライツを付与し、民間事業者等から得る対価をいう。
(基本原則)
第3条 ネーミングライツ事業は、対象となる施設の本来の目的に支障を生じさせない方法により実施するとともに、当該施設の公共性を考慮し、社会的な信頼性及び事業の推進における公平性を損なわないようにしなければならない。
2 町は、ネーミングライツを導入した施設について、愛称を積極的に使用するものとする。
3 町は、ネーミングライツ事業により愛称が命名された場合においても、これを理由として条例等(条例、規則その他町が定める規程をいう。以下同じ。)に規定する施設の名称は変更しないものとし、必要に応じて、ネーミングライツ事業により命名された愛称ではなく条例等に規定する施設の名称を使用できるものとする。
(対象施設等)
第4条 ネーミングライツ事業の対象となる施設(以下「対象施設等」という。)は、次の各号に掲げる全ての要件を満たす施設から、設置目的、規模、利用状況等を考慮し、町長が選定する。
(1) ネーミングライツ事業により、設置目的が妨げられないこと。
(2) ネーミングライツ事業による広告効果が見込まれること又は愛称を命名することが適当と認められること。
2 前項の規定にかかわらず、役場庁舎及び学校、公営住宅その他の施設で、ネーミングライツの付与が適当でないと町長が認める施設については、ネーミングライツ事業の対象外とする。
3 選定しようとする施設が指定管理者制度導入施設(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者が管理を行っている施設又は管理を行うこととしている施設をいう。以下同じ。)の場合は、町長と指定管理者が協議の上、町長が選定するものとする。
(付与期間)
第5条 ネーミングライツの付与期間(以下「付与期間」という。)は、原則3年以上とし、付与期間内の愛称変更はできないものとする。ただし、指定管理者制度導入施設については、その指定期間を考慮し、付与期間を別に定めることができる。
(ネーミングライツパートナーの要件)
第6条 ネーミングライツ事業への応募資格は、ネーミングライツパートナーとしてふさわしい資力及び信用を備えた法人、その他の団体であって、次の各号のいずれにも該当しないものとする。
(1) 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当するもの
(2) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)で、風俗営業と規定される業種及び類似の業種
(3) 貸金業法(昭和58年法律第32号)に規定する貸金業に関する業種
(4) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)に規定する暴力団及び特殊結社団体等又はそれらの関連事業者
(5) 民事再生法(平成11年法律第225号)及び会社更生法(平成14年法律第154号)による再生・更生手続中の事業者
(6) 政治性又は宗教性のある事業を行うもの
(7) 行政機関からの行政指導を受け、改善がなされていない事業者
(8) 本町の町税を滞納している事業者
(9) 本町から指名停止の措置を受けている事業者
(10) 規制対象となっていない業種においても、社会問題を起こしている業種や事業者
(11) 法令等に基づく必要な許可等を受けることなく業を行うもの
(12) インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成15年法律第83号)第2条第3号に規定するインターネット異性紹介事業者に該当するもの
(13) その他町長が適当でないと認めるもの
(募集)
第7条 町長は、ネーミングライツ事業の実施に当たっては、募集要項を作成し、町広報紙及び町ホームページへの掲載等により、ネーミングライツパートナーを公募するものとする。ただし、第19条第1項の規定に基づく更新があったときは、この限りでない。
2 前項の公募期間は1月以上とし、ネーミングライツ料その他募集に関し必要な事項は、対象施設等ごとに別に定める。
(1) 誓約書(様式第2号)
(2) 応募者の概要を記載した書類
(3) 応募者の登記事項証明書
(4) 社会貢献活動の実績及び今後の計画(様式第3号)
(5) 直近の事業年度分の決算報告書(貸借対照表、損益計算書等)及び事業報告書
(6) 直近の納税証明書(法人税、消費税及び地方消費税、法人県民税、法人事業税)及び町税を滞納していないことを証明する書類(熊野町税が課税されていない場合は、本社・本店の所在地において納付すべき市町村税に滞納がない旨を証するもの)
(7) 愛称に商品名等を使用する場合は、当該商品等の概要のわかる書類
(8) ネーミングライツに関する提案がある場合は、その旨を記載した書類
(9) その他町長が必要と認める書類
(愛称)
第9条 ネーミングライツ事業により表記する愛称は、公共の施設にふさわしいものとして、分かりやすく、町民に親しまれるものとする。
2 次に掲げるものは、愛称とすることができない。
(1) 法令等に違反するもの又はそのおそれがあるもの
(2) 公序良俗に反するもの又はそのおそれがあるもの
(3) 青少年の健全な育成を阻害するもの又はそのおそれがあるもの
(4) 人権侵害となるもの又はそのおそれがあるもの
(5) 政治性又は宗教性のあるもの
(6) 社会問題についての主義主張に当たるもの
(7) 暴力団等に関するもの
(8) 良好な景観又は風致を害するおそれがあるもの
(9) 公衆に不快の念又は危害を与えるおそれがあるもの
(10) 第三者の商標権、著作権等の知的財産権を侵害するおそれがあるもの
(11) 前各号に掲げるもののほか、愛称として適当でないと町長が判断するもの
(熊野町ネーミングライツ審査委員会)
第10条 町長は、ネーミングライツパートナーの選定を適正かつ公正に行うため、熊野町ネーミングライツ審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会の委員長は副町長をもって充て、その他の委員は職員の職の設置に関する規則(昭和44年熊野町規則第3号)第3条に規定する職で部長級以上の職にある者及びその他町長が必要と認めたものをもって充てる。
3 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
4 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、総務部長がその職務を代理する。
5 委員会の会議(以下「会議」という。)は、委員長が招集し、その議長となる。
6 委員会は、次の事項について審査を行い、結果を町長に報告するものとする。
(1) ネーミングライツ料及び契約期間
(2) ネーミングライツ事業の趣旨や町が求める目的との整合
(3) 応募者の経営状況の健全性、安定性
(4) 施設の愛称としてのふさわしさ
(5) 施設の魅力向上に関する提案
(6) 応募理由
(7) 地域や社会への貢献度
(8) 前各号に掲げるもののほか、事業の実施に必要な事項
7 委員長は、必要があると認めるときは、会議に関係者の出席を求め、意見を聴取することができる。
8 会議は過半数の委員が出席しなければ開くことができない。
9 会議の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
10 委員会の庶務は、当該対象施設等を所管する部署において処理する。
(決定及び通知)
第11条 町長は、前条第6項の規定による報告を受けたときは、当該報告の内容を考慮し、優先交渉者を選定するものとする。
(優先交渉者との協議)
第12条 町長は、優先交渉者を選定したときは、当該優先交渉者と必要事項について協議するものとする。
2 町長は、前項の規定による協議が調わなかったときは、次点順位の応募者と協議を行うものとする。
3 次点以降の応募者との協議については、前2項の規定を準用する。
4 町長は、協議の過程において、合意の可能性がないと判断した場合は、当該協議を打ち切り、当該対象施設等のネーミングライツ事業を中止するものとする。
(契約の締結)
第13条 町長は、前条の規定による協議が調ったときは、当該優先交渉者又は次点以降応募者とネーミングライツに関する契約を締結するものとする。
(費用負担)
第14条 ネーミングライツ事業における町とネーミングライツパートナーの費用負担の区分は、別表のとおりとする。
(ネーミングライツ料の納入)
第15条 ネーミングライツパートナーは、当該年度分にかかるネーミングライツ料を町長が指定する期日までに一括で納入しなければならない。ただし、町長が適当と認める場合は、この限りではない。
2 既に納入されたネーミングライツ料は、原則、還付しない。ただし、ネーミングライツパートナーの責めに帰さない理由により第17条に規定する契約の解除があったときは、この限りでない。
(契約解除の申出)
第16条 ネーミングライツパートナーは、ネーミングライツ事業の継続が困難となったときは、町長に契約の解除を申し出ることができる。
2 前項の契約解除の申出は、付与期間満了の6月前までに行わなければならない。
(契約の解除)
第17条 町長は、次の各号のいずれかに該当するときは、契約を解除することができる。
(1) 指定する期日までにネーミングライツ料の納入がないとき。
(2) ネーミングライツパートナーが第6条各号に掲げる民間事業者等に該当し、又は該当するおそれがあるとき。
(3) ネーミングライツパートナーの社会的又は経済的信用を著しく失墜させる事由が発生したとき。
(4) ネーミングライツパートナーが、法律、条例等に違反し、又は違反するおそれがあると町長が認めるとき。
(5) 前条の規定により、ネーミングライツパートナーから契約解除の申出があったとき。
(指定管理者との協議)
第18条 指定管理者制度導入施設にあっては、町長、指定管理者及びネーミングライツパートナーとの間で、愛称の使用に関し必要な事項について、協議するものとする。
(ネーミングライツの更新)
第19条 ネーミングライツパートナーが契約の更新を希望する場合は、熊野町ネーミングライツ事業更新申込書(様式第5号)に、町長が必要と認める書類を添えて、契約期間満了前に契約書に定められた期間までに町長に提出しなければならない。
(リスク分担)
第20条 ネーミングライツパートナーが設置・変更した看板等により第三者に損害が生じた場合や、愛称が第三者の商標権を侵害した場合の負担は、ネーミングライツパートナーが負うものとする。
2 その他、定めのないリスクが生じた場合の負担は、町とネーミングライツパートナーが協議し決定するものとする。
(補則)
第21条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
別表(第14条関係)
ネーミングライツ事業における費用負担
経費区分 | 費用を負担する者 |
敷地内外の看板等の表示変更及び新規設置(施設看板、道路標識等)*1 | ネーミングライツパートナー |
契約期間終了後の原状回復 | ネーミングライツパートナー |
パンフレット、封筒等の印刷物や町のホームページの表示変更*2 | 町 |
*1 敷地外、道路標識等の表示変更は、ネーミングライツパートナーが、町や関係機関と協議の上、変更可能な表示についてのみ実施する。また、看板等の新規(追加)設置については、ネーミングライツパートナーが、対象施設の施設等管理者の許可を受けて設置するものに限る。
*2 印刷物については、残部数や改訂時期等を踏まえ、町とネーミングライツパートナーで協議の上、変更時期を決定する。




