○熊野町外部公益通報に関する要綱
令和6年11月28日
告示第169号
(目的)
第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)の規定に基づき、外部の労働者等からの公益通報を適切に処理するため、本町が講ずべき措置等に関し必要な事項を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、事業者の法令遵守を推進することを目的とする。
(1) 外部の労働者等 次のいずれかに該当する者をいい、職員等からの公益通報に関する要綱(平成19年熊野町告示第148号)第2条第1号に掲げる職員等を除く。
ア 事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)に使用される労働者(労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者をいう。ウにおいて同じ。)
イ 事業者に役務を提供する派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者をいう。ウにおいて同じ。)
ウ 事業者が他の事業者との請負契約その他の契約に基づき事業を行う場合において、当該事業に従事している労働者又は派遣労働者
(2) 外部公益通報 外部の労働者等が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、その役務提供先又は当該役務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について通報対象事実(法第2条第3項に規定する通報対象事実をいう。以下同じ。)が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)又は勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する町の機関(地方自治法(昭和22年法律第67号)第2編第7章の執行機関として町に置かれている各機関若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法令により独立に権限を行使することが認められた職員をいう。)に通報することをいう。
(3) 外部公益通報者 外部公益通報をした者をいう。
(4) 通報等 外部公益通報及び相談(法に関する一般的な相談、外部公益通報の制度に関する相談等をいう。以下同じ。)をいう。
(5) 所管課 通報対象事実に関する処分又は勧告等の事務を所掌する課等(熊野町事務組織規則(令和2年熊野町規則第7号)第4条の表に掲げる内部組織、会計課、熊野町教育委員会の事務局に置かれた課をいう。第16条第1項において同じ。)をいう。
(6) 受付 町に対してなされた通報等を受け付けることをいう。
(7) 通報者等を特定させる事項 通報等に対応する業務(当該業務に付随する業務を含む。以下「通報等対応業務」という。)に関して知り得た事項であって通報者等(外部公益通報又は相談をした者をいう。以下同じ。)を特定させる可能性があるものをいう。
(8) 相談窓口 通報等の窓口をいう。
(組織体制)
第3条 通報等対応業務を総括するため、総括通報等責任者を置くこととし、総務部長をもって充てる。
2 総括通報等責任者は、所管課の長との連絡調整その他通報等への適切な対応に必要な業務を総括する。
3 総括通報等責任者は、通報等対応業務のうち、通報等の受付その他の通報等に関する対応の進捗の管理に関するものを通報等責任者に行わせることができるものとし、通報等責任者は所管部局の長をもって充てる。
第4条 通報等管理者は、所管課において、通報に関する調査の進捗の管理その他通報等への適切な対応に必要な業務を行う。
2 通報等管理者は、所管課の長をもって充てる。
3 通報等管理者は、所管課の職員の中から、通報等への対応を行う者(以下「通報等担当者」という。)を指定するものとする。
4 前項の通報等担当者は、通報等管理者を補佐し、所管課における通報等に関する情報その他の事項の管理、通報者等との連絡その他の通報等対応業務を担当する。
(外部公益通報の相談窓口)
第5条 相談窓口を総務部総務課に設置し、総括通報等責任者がこれを総括する。
2 相談窓口は、通報等に関する秘密(個人情報以外の通報者等を特定させる事項を含む。以下同じ。)の保持及び通報等の内容に係る通報者以外の者の個人情報の保護に留意しつつ、相談の受付並びに所管課への取次ぎ及び他の行政機関への照会その他の業務を行う。
3 相談窓口は、通報等に係る処分又は勧告等を行う権限が他の行政機関に属することが明らかであるときは、当該行政機関を適切な方法により通報者等に教示するものとする。ただし、匿名による通報等であるため通報者等への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
(通報等の受付、措置等)
第6条 所管課は、外部の労働者等から、通報等を受け付ける。
2 外部公益通報は、外部公益通報書(様式第1号)その他の書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録を含む。第9条第1項第1号イ及び第14条第3項第3号において同じ。)の提出(郵便又は信書便による提出及び電子メールその他の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)による提出を含む。)、電話又は面談によるものとする。ただし、明らかに不正の目的でなされたと認める通報及び外部公益通報に該当しないと認める通報は、これを受け付けない。
3 所管課は、通報等に係る処分又は勧告等を行う権限が他の行政機関に属することが明らかであるとき、又は明らかになったときは、当該行政機関を通報者等に教示するものとする。
4 所管課は、匿名による通報等についても、実名による通報等と同様の取扱いをするよう努めるものとする。
(外部公益通報の確認等)
第7条 所管課は、外部公益通報があったときは、外部公益通報者の秘密の保持に配慮しつつ、当該外部公益通報者の氏名及び連絡先並びに通報対象事実の内容等について、必要な確認を行い、外部公益通報内容整理票(様式第2号)に記録するものとする。
2 所管課は、外部公益通報を受け付けたときは、次に掲げる事項を外部公益通報者に対して説明するものとする。ただし、匿名による外部公益通報であるため外部公益通報者への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
(1) 通報等に対応する職員には秘密を保持する義務があり、通報者等を特定させる事項その他通報等に係る情報の共有を制限することその他の方法により通報等に関する秘密は保持されること。
(2) 個人情報は保護されること。
(3) 外部公益通報を受け付けた後の手続に関すること。
3 所管課は、外部公益通報がされた事実を確認した場合であって、当該外部公益通報が、郵便若しくは信書便又は電子メールその他の電磁的方法により提出されたときその他外部公益通報者が外部公益通報の受付の状況を確認することができないと認められるときは、遅滞なく、当該外部公益通報者に、当該外部公益通報を受け付けた旨を通知するよう努めるものとする。この場合において、所管課は、前項各号に掲げる事項を併せて通知するものとする。
5 次の各号のいずれかに該当する場合には、受け付けた通報は、外部公益通報として受理しないものとする。
(1) 通報対象事実について、町の機関が処分又は勧告等をする権限を有しないとき。
(2) 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると認められる相当な理由がないとき。
(3) 通報内容が具体性を伴わず、明らかでないとき。
(4) 通報内容が虚偽であることが明らかであるとき。
(5) 通報内容が単なる伝聞に基づくものであるときその他のその内容について確認することが困難であると認められるものであるとき。
(6) 前各号に掲げるもののほか、通報が法に基づく外部公益通報に該当しないことが明らかであるものであるとき。
(教示)
第8条 所管課は、外部公益通報を受理した後において、通報対象事実に係る処分又は勧告等を行う権限が他の行政機関に属することが明らかになったときは、当該行政機関を教示書(様式第5号)により外部公益通報者に教示しなければならない。ただし、外部公益通報者が希望しない場合、匿名による通報等であるため外部公益通報者への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
2 前項本文の場合において、当該教示を行う所管課は、適切な法の執行及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、私生活についての秘密等の保護に支障がない範囲において、自ら作成した当該通報に係る資料を外部公益通報者に提供するものとする。
(調査の実施)
第9条 所管課は、次の各号のいずれかに該当する場合には、外部公益通報に関して、速やかに、必要かつ相当な方法により調査を実施するものとする。ただし、当該外部公益通報に関する調査を実施しないことについて正当な理由があるときは、この限りでない。
(1) 外部の労働者等が、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する町の機関に対し、次に掲げる要件のいずれかを満たして通報するとき。
ア 当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があること。
イ 当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようしていると思料し、かつ、次に掲げる事項を記載した書面を提出すること(当該書面を郵便若しくは信書便又は電子メールその他の電磁的方法により提出することを含む。)。
(ア) 外部公益通報者の氏名又は名称及び住所又は居所
(イ) 通報対象事実の内容
(ウ) 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由
(エ) 通報対象事実について法令に基づく措置その他適当な措置がとられるべきと思料する理由
(2) 当該外部公益通報に個人の生命若しくは身体に対する危害又は個人の財産に対する損害その他の重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれているとき。
3 通報等責任者及び通報等管理者は、調査の内容、方法その他の事項を適切に管理するものとする。
(調査の結果に基づく措置)
第10条 所管課は、前条に規定する調査の結果、通報対象事実が確認されたときは、法令に基づく処分その他必要な是正等の措置(以下「是正等の措置」という。)を講じなければならない。
2 所管課は、是正等の措置の内容を調査結果及び措置票に記録するものとする。
(調査の結果等の通知)
第11条 所管課は、通報対象事実についての調査の結果及び是正等の措置の内容を外部公益通報調査結果及び措置通知書(様式第7号)により、遅滞なく外部公益通報者に通知しなければならない。ただし、外部公益通報者が通知を希望しない場合その他やむを得ない理由がある場合には、この限りでない。
2 所管課は、前項の規定による通知を行うに当たっては、利害関係人の営業の秘密、信用、名誉、私生活についての秘密等に配慮しなければならない。
(協力義務)
第12条 通報対象事実に係る所管課が複数ある場合は、各所管課は連携して調査し、及び是正等の措置を講じなければならない。この場合において、外部公益通報者に対する通知は、当該外部公益通報を受け付けた所管課が行うものとする。
2 所管課は、外部公益通報に係る事案の処理に関し、他の行政機関その他の公の機関から調査等の協力を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、必要な協力をしなければならない。
(記録等の管理)
第13条 外部公益通報に係る記録及び関係資料は、当該外部公益通報に係る事案の処理が終了した日の属する年度の翌年度の4月1日から起算して10年間保存するものとする。
(秘密保持の徹底)
第14条 所管課及び総務課に属する職員その他通報等対応業務の遂行を通じて当該通報等に関する秘密を知り得た者(以下この条において「通報等担当職員等」という。)は、当該通報等に関する秘密を漏らしてはならない。通報等担当職員等でなくなった後も、同様とする。
2 通報等担当職員等は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
3 通報等担当職員等は、通報等に関する秘密の保持及び個人情報の保護の徹底を図るため、通報等に係る受付、教示、調査、是正等の措置の通知の各段階及び通報等対応業務が終了した後において、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(2) 通報者等を特定させる事項については、通報等に係る調査又は是正等の措置の対象となる事業者等及びその関係者に対して原則開示しないこと。
(3) 通報者等を特定させる事項を第1号に規定する通報等担当職員等以外の者に開示するときは、あらかじめ、当該開示が法令に基づくものである場合その他の正当な理由がある場合を除き、書面により、通報者等の同意を得ること。
(4) 前号に規定する同意を得るに当たっては、あらかじめ、情報を開示する目的及び当該情報の範囲並びに当該情報を開示することにより通報者等が被るおそれがある不利益その他必要な事項を通報者等に対し明確に説明すること。
5 通報等に関する秘密の保持及び個人情報の保護に関しては、前各項に定めるもののほか、個人情報の保護に関する法令に従うものとする。
(利益相反関係の排除)
第15条 職員は、自らが次の各号のいずれかに該当する者であるときは、通報等対応業務に従事してはならない。
(1) 通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていることが明らかになること又は当該通報対象事実に関する調査が実施されることにより不利益が生じるおそれがある者
(2) 通報者等又は外部公益通報をされた事業者等と親族関係にある者
(3) 前2号に掲げるもののほか、外部公益通報に係る事案に関する公正な調査の実施又は是正等の措置の検討若しくは実施に支障が生じるおそれがある者
2 相談窓口の担当職員は、通報等を受け付けた場合であって自らが前項各号のいずれかに該当する者であるときは、当該通報等の受付を他の職員に引き継ぐものとする。
3 前項の規定による報告を受けた通報等責任者は、当該報告をした職員を通報等対応業務に従事させてはならない。
4 通報等責任者は、通報等対応業務の各段階において、当該業務に従事する者と外部公益通報をされた事業者等との利益が相反する状況にないことを確認することとする。
(外部公益通報以外の通報の取扱い)
第16条 所管課は、外部公益通報以外の通報があった場合は、必要に応じ当該通報に係る担当部署(当該通報に係る処分又は勧告等の事務を所掌する課等であって、当該通報を受け付けた所管課を除く。次項において同じ。)及び相談窓口に情報提供を行うものとする。
2 担当部署及び相談窓口は、外部公益通報以外の通報の内容が法令遵守の観点から外部公益通報に準じた取扱いをすべきものであると判断したときは、外部公益通報に準じて適切に処理しなければならない。
(雑則)
第17条 この要綱に定めるもののほか、外部公益通報の処理に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。