○熊野町有害鳥獣捕獲を目的とする鳥獣の捕獲許可事務処理要領
平成28年3月2日
告示第26号
鳥獣の管理の目的として捕獲を行うもののうち有害鳥獣の捕獲を行う場合の許可及びその実施については、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「法」という。)、同法施行規則(平成14年環境省令第28号。以下「規則」という。)及び別に定めのあるもののほか、この要領の定めるところによる。
第1 有害鳥獣捕獲の趣旨
有害鳥獣の捕獲は、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系にかかる被害(以下「被害等」という。)が、現に生じているか又はそのおそれがあり、原則として被害等防除対策によっても被害等が防止できないと認められるときに行うものとする。
第2 許可基準
許可基準の設定については、広島県が鳥獣保護管理事業計画において設定する鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等に係る許可基準の内容に従うよう努めることとし、以下のとおり定める。
1 許可を受けることができる者
(1) 国及び地方公共団体(広域連合を含む。)
(2) 被害者又は被害者から依頼を受けた者(以下「被害者等」という。)
(3) 環境大臣の定める法人(以下「対象法人」という。)
2 許可要件
(1) 次の捕獲実施体制(有害鳥獣駆除班)を整備していること。
ア 駆除班の構成員は、捕獲を実施するために必要な最小限の人数とし、概ね20名程度を基準とする。
イ 駆除班には、班を代表し班員を統括できる代表者(班長・副班長各1名程度)を選任していること。
ウ 捕獲に従事する者は、次の要件を備えていること。
a 当該捕獲実施計画に係る捕獲方法について、前年の狩猟者登録を受けていること。(ただし、第一種銃猟と網猟若しくはわな猟又は第二種銃猟を併せて所持している者は、第一種銃猟の前年度狩猟者登録を受けていること。)
b 熊野町に住所を有し、単位猟友会長の推薦した者であること。
ただし、他市町に住所を有している場合は、捕獲班を編成しようとする市町の単位猟友会長の申出により、依頼を受けた単位猟友会長が推薦した者であること。
c 有害鳥獣捕獲に十分な経験と熱意を有し、必要に応じていつでも捕獲に従事できること。
(2) 被害者等の場合
ア 捕獲に従事する者は、当該捕獲方法について、狩猟免許を取得していること。
イ 同一区域内の被害については、原則として被害者等が班を編成して、共同で捕獲に当たること。
(3) 対象法人の場合
第1号の規定を準用する。
3 捕獲許可期間
別表に定める。
4 捕獲許可区域
(1) 町及び対象法人の場合
町の区域を限度とする。ただし、複数の市町が合同で捕獲にあたる場合(以下「広域捕獲」という。)は、この限りでない。
(2) 被害者等の場合
ア 原則として被害地及びその縁辺から100m以内の区域を限度とする。
イ 班を編成して捕獲する場合は、必要最小限の範囲とし、概ね大字単位を限度とする。
ウ 同一時期に捕獲する場合にあっては、原則として、他の被害者等が既に許可を受けている区域と重複していないこと。
(3) 規則第7条第1項第7号の区域について許可する場合は、危険防止及び第三者に疑惑を生じるおそれのないよう措置が講じられるものであること。
5 捕獲方法
次の各号に掲げる条件に適合するものであること。ただし、他に方法がなく、やむを得ない理由がある場合、又は過去の実績等を考慮して、適当と認められる場合は、この限りではない。
(1) 法第12条第1項又は第2項の規定に基づき禁止されている猟具、猟法ではないこと。ただし、くくりわなについては輪の直径が12センチメートルを超えるものであっても、捕獲場所、捕獲時期、クマ類の生息状況等を勘案して、錯誤捕獲のおそれが少ないと判断される場合にはこの限りでない。
(2) 法第35条第1項の規定により指定された区域においては、当該区域に係る特定猟具を使用する猟法でないこと。
6 数量等
被害防止の目的を達成するために最小限の頭羽数とする。
第3 有害鳥獣駆除対策協議会
1 町及び対象法人は、有害鳥駆除対策協議会(以下「協議会」という。)を設立する。
2 協議会は、次に掲げるものを持って構成する。
熊野町建設農林部長、熊野町有害鳥獣駆除班班長、熊野町農業委員会会長、熊野町農業生産行政協力員代表、ひろしま農業協同組合安芸地域本部支店の役職員
3 協議会は、鳥獣の被害発生予察及び年間鳥獣捕獲実施計画並びに捕獲実施体制等について協議する。
4 協議会は、協議会規約を設ける。
第4 許可申請
1 申請書の様式
(1) 町及び対象法人の場合
ア 協議会議事録の写し
イ 被害発生予察表(様式第2号)
エ 従事者名簿(様式第4号)
オ 他市町長の同意書(他市町の区域が捕獲実施区域に含まれている場合のみ必要。ただし、広域捕獲の場合は不要)
(2) 被害者等の場合
ア 有害鳥獣捕獲依頼書(別記様式第5号:捕獲の依頼を受けた者が申請する場合のみ)
イ 班を編成した場合は鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可申請者名簿(様式第4号)
ウ 鳥獣被害状況書(様式第6号)
エ 狩猟免許の写し
オ その他町長が必要と認める書類(被害状況写真等)
第5 処分の決定等
1 町長は、申請書が提出された場合は、当該申請書及び添付書類について不備の有無を確認し、不備がある場合は申請者に補正させるものとする。
2 町長は、適正な申請書の提出を受けた場合は、速やかに収受の手続を行い、2週間以内にその処分を決定するものとする。
4 町長は、自らの権限にかかる鳥獣の捕獲の許可をした場合は、関係者に対してその旨を通知する。
第6 捕獲実施基準
1 捕獲の実施にあたっては、捕獲者又は捕獲従事者(以下「捕獲者等」という。)は、必ず許可証等を携帯するとともに、捕獲に従事するものであることを表示するための腕章(様式第10号)又は腕章と同内容の標記があり、同程度の文字色・文字の大きさ・地色等のベストを着用するものとする。
2 捕獲者等は、銃器以外の猟具により捕獲を行う場合にあっては、使用する猟具ごとに住所、氏名又は名称、許可者名、許可の有効期間、許可番号及び捕獲等をしようとする鳥獣名を明記した標識をつけること。
3 捕獲者等は、銃器により捕獲を行う場合にあっては、事故防止のための安全対策を講じるとともに、捕獲等の実施日時及び場所を関係警察署長に通知すること。日時及び場所を変更又は中止した場合も同様とすること。
(1) 指示書の期間は、1年以内とし、期間満了後は速やかに指示書、従事者証及び腕章を回収するものとする。
(2) 原則として現に被害が発生している場合において、個別に指示書を交付するものとする。
(3) 規則第7条第1項第7号に列記された区域における捕獲については、その指定目的及び捕獲目的を逸脱しないよう慎重に取り扱うものとし、現に被害が発生している場合において、個別に指示書を交付するものとする。
(4) 捕獲個体の処分については、捕獲の目的を逸脱しない範囲内において、適切に指示するものとする。
第7 報告等
1 町長は、許可証の交付をしたときは、管轄農林水産事務所長、関係市町長、警察署長、鳥獣保護員及び単位猟友会長に許可の内容を通知する。
2 許可証の交付を受けたものは、許可期間満了後30日以内に、また、許可証の効力が失われた場合には、速やかに許可書等を交付を受けた町長に返納するものとする。
3 許可証の交付を受けた者は、前記の規定により許可書等を返納する場合には、捕獲等を行った鳥獣又は卵の種類、数量及び処置の概要等について、許可証の鳥獣捕獲報告欄に取りまとめて、許可書の交付を受けた町長に報告するものとする。この報告を法第9条第13項に規定する捕獲報告に替えるものとする。
5 町長は、前記3及び4の報告のほかに必要に応じて、許可証の交付を受けたものに対して、鳥獣保護及び有害鳥獣捕獲等の実施に関して、報告を求めるものとする。
6 町長は、捕獲等に係る違反を把握した場合は、違反の概要を速やかに関係者に連絡するものとする。
附則
(施行期日)
1 この要領は、公布の日から施行する。
(熊野町有害鳥獣駆除実施要領の廃止)
2 熊野町有害鳥獣駆除実施要領(平成19年熊野町告示第10号)は、廃止する。
附則(令和元年6月27日告示第28号)
この要領は、令和元年7月1日から施行する。
附則(令和2年3月17日告示第26号)
この要領は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和5年1月31日告示第13号)
この要領は、令和5年4月1日から施行する。
別表(第2関係)
(1) 捕獲許可期間
鳥獣名 | 方法 | 許可期間 | 留意事項等 |
ニホンジカ | 銃器、わな | 4月~10月、3月 (11月~2月) | メスジカの捕獲に努める |
イノシシ | |||
タヌキ | |||
イタチ | RDB(絶滅危惧種) | ||
ヌートリア | 特定外来生物 | ||
アライグマ | 特定外来生物 | ||
サル | 銃器、箱わな | 4月~3月 | |
ヤマドリ | 銃器、網 | (8月~3月) | |
スズメ | 6月~10月 (11月~3月) | ||
ヒヨドリ | 4月~10月、3月 (11月~2月) | ||
カラス類 | 銃器、網、箱わな | ||
キジバト | 銃器、網 | ||
カモ類 (狩猟鳥獣) | |||
カワウ | 生態系の保全 | ||
サギ類 | 4月~3月 | 原則コロニーの繁殖期は許可しない | |
チュウサギ (チュウサギを除く) | 8月~3月 | 原則コロニーの繁殖期は許可しない | |
ドバト | 銃器、網、箱わな | 6月~10月 (11月~3月) | |
カモ類 (狩猟鳥獣以外) | 銃器、網 | (4月~3月) | RDB(絶滅危惧種)を含む |
その他 | 必要最小限の期間 |
(1) 適用
① 有害鳥獣捕獲実施計画に基づく有害鳥獣駆除班による捕獲については、上表中、許可期間欄に掲げる期間内については、連続して許可することができる。
② 上表中、許可期間( )欄に掲げる期間内については、特に必要と認められる場合のみ、その都度、必要最小限の期間で許可する。
③ 被害者又は被害者から依頼を受けた者による捕獲については、上表中、許可期間内の必要最小限の期間で許可する。
④ 必要最小限の期間とは、被害の実態、捕獲の内容(頭羽数等、区域)に応じて3か月以内とする。
⑤ 飛行場の区域内において航空機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥獣の捕獲等をする場合は①~③にかかわらず許可することができる。
⑥ 許可期間に掲げる期間内において、有害鳥獣駆除班による捕獲活動以外については特に必要と認められる場合を除き、銃器による捕獲を許可しない。