〔連載特集〕筆の里工房周辺の整備事業 「つながる つなげる」 (その11)
都市公園と公園施設(観光交流拠点)の建設を進めています
(イメージ図)
わずか75年後には、日本の人口が今の半数に減少すると見込まれるなか、“ふるさと熊野”を子や孫に残すために、私たちには今できることがあります。
個性豊かな文化を活かした魅力的なまちづくりも、移住する場所、住み続ける場所として人々をまちに惹き付ける大切な取り組みの一つのはずです。
熊野町は筆産業とそれにより培われた文化芸術が息づくまちです。このソフトパワーを活かし、この地に住む人々がつながり、まちと文化を未来につなげるため、都市公園と観光交流拠点施設の建設を進めています。
今回の内容
熊野町文化芸術のまちづくり応援大使であり、テレビ番組「プレバト!!」の審査員としても人気の高い画家の野村重存さんと筆の里工房でのイベント参加者からお聞きした、新施設への期待や感想についてお届けします。
画家 野村重存さん
(熊野町文化芸術のまちづくり応援大使)
私が初めて熊野町を訪れたのは2006年でした。以来20年間、熊野の風景や歴史、文化、そして人びとと触れあう機会をいただいています。
最初の町の印象は、熊野トンネルを抜けた瞬間に広がる穏やかな山並みに囲まれた、明るく、伸びやかな風景でした。そしてその印象は、お会いした町の人たちの姿にそのまま重なります。
新施設は、そんな町の人たちの憩いの場になってほしいと思います。人が集えば、様々な発信力が生まれ、魅力的な場として町の外へと伝わり広がっていくでしょう。その新しい“場”が、次世代へつながる、文化創造の拠点へと育っていくことに期待します。
野村重存さんのプロフィールは、
こちらからご覧いただけます。
筆の里工房でのイベントに参加いただいた皆さん
「野村重存の写生大会」(3/9) に参加の家族
(寄せられた期待やご意見)
若い人も気軽に参加できる無料の造形体験や、絵の具の汚れなどを気にかけず、子どもが全身を使ってアートを楽しめるイベントなど、世代を超えて文化芸術の交流の輪が広がる、心地よい空間づくりに期待が寄せられました。
また、画材の販売や図書の無料貸し出しなど、施設の機能や運営への意見もいただきました。
岡下芽生さん(11歳)
(呉市在住)
「習字が大好き。手作業で丁寧につくられる熊野筆は、とても書きやすいです。学校で伝統工芸について学んだので、筆まつりや筆の
里工房にはよく来ています。新しい施設ができるのはとても楽しみ。家ではできないいろいろな体験をしてみたいな。」
筆の日イベント(3/20)に参加の夫妻
(広島市東区在住)
「準備などが大変な大書制作を体験させていただき、ありがとうございます。今回のイベントのように、子どもから大人まで楽しめる体験を通じて書道人口を増やし、書の文化を継承する町の取組に期待します。」
筆の日イベント(3/20)に参加の親子
向井委子さん 椛子さん(8歳)
(城之堀地区在住)
「新施設のことは町の広報紙で見て、知っています。創作活動など、親子で一緒に体験する時間をもつことは貴重だと思うので、そのようなイベントがあれば子どもと一緒に参加したいです。」
連載記事をお届けします!
公園施設(観光交流拠点)がオープンするまでの間、これまでの経緯や整備事業の進み具合、予定する事業内容への町民のみなさんからのコメントなど、様々な角度からの連載記事をお届けします。
次回(その12)は、奈良時代の天平筆から熊野筆に至る筆文化の未来や新施設との関わりについてをテーマに行った対談の様子をお届けする予定です。