このページの本文へ移動

平成28年12月13日 所信表明

所信表明(平成28年第4回熊野町議会定例会における演説の書き起こし)

 本日開会されました熊野町議会12月定例会の冒頭におきまして、皆様に御挨拶と所信の一端を申し述べる機会をいただき、誠に光栄に存じます。
 私は、先の町長選挙におきまして、町民の皆様や各方面の方々からの温かい御支援と御支持をいただき、引き続き町長として、熊野町の舵取りを任せていただくことになりました。改めて、その職責の重さを痛感しております。皆様方からいただいた信頼と期待をしっかりと受け止め、その負託にお応えできるよう、誠心誠意、職務を務めてまいります。
 また、町民代表の一翼を担われる町議会に対しましては、緊張感を持って、真摯、誠実に向き合い、意思疎通を良く図りながら、町勢発展を期す政策形成の実現に向けて、皆様と共に汗を流したいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、我が国の人口は、1920年の国勢調査開始以降、昨年の調査で初めて減少に転じました。本町では、平成12年をピークに減少を続けており、少子高齢化が一層進展しております。本年3月に「熊野町人口ビジョン」を公表しましたが、昭和60年から平成17年まで2万5千人以上あった国勢調査人口は今後減少し、このままでは、これから先15年程度で2万人を割り込んでしまいます。
これからは、もはや高度経済成長期のような重厚長大の産業発展や人口増加は望めません。大多数の市町村では、人口減少、少子高齢化が一層進みます。東京圏においても、今後、高度に高齢化が進むため、介護需要の高まりに伴い、地方からの若者の流出に一層拍車がかかることが懸念されております。
 このような社会情勢により、町財政への負の影響が、今後一層大きくなるものと覚悟せざるを得ません。町勢発展に必要な政策への投資を果敢に行いつつ、行政全般にわたり、いかに財政投資の重点化を図るのかといった厳しい判断が、これまでに増して求められるものと思っております。
こうした背景を踏まえ、本年3月、「熊野町 まち・ひと・しごと創生 総合戦略」により、7つの分野でのブランド戦略を設定いたしました。幸いなことに熊野町には優れた多くの地域資源や人材があります。本町の特性や特長を活かし、まち全体のブランド力を高めて交流・定住人口の増加をもたらす、熊野独自の地方創生を進めることで、「ひと」と「まち」が輝きを増して、新たな成長への希望が芽生える、そのような4年間となるよう努力してまいります。

 7つの分野のブランド戦略のうち、1つ目の「子育て・教育」の分野については、“選ばれる子育て環境”の実現を目指します。
 妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対し、総合的に支援するワンストップサービス体制を一層強化するとともに、子育て支援事業を展開する拠点施設の拡充整備を図ってまいります。学校教育につきましては、耐震化が完了いたしましたので、今後はリニューアル事業を計画的に実施いたします。また、基礎学力や体力が一層高まるよう、ICT整備などの教育環境の改善、向上のための取り組みを進めてまいります。

 2つ目の「健康・生きがい」の分野については、充実した人生を営むことができる“活力創出環境”の実現を目指します。
健康寿命を延ばす各種保健事業や大学と連携した認知症対策などの推進、高齢者や障害者の社会参加の促進、生涯学習・生涯スポーツの推進などの取り組みを進めてまいります。これらの拠点とするため、東公民館に代わる新たな施設の整備や公認のグラウンドゴルフ場の整備に着手いたします。

 3つ目の「広域連携」の分野については、近隣市町の多様な地域資源を活かした“開かれた都市空間環境の形成”の実現を目指します。
広島市を中心とする広島広域都市圏域、および、呉市を中心とする連携中枢都市圏域の市町とともに、山・海・島といった資源を生かした観光事業を連携・共同して実施するほか、住民サービスの向上に資する事業への広域参加を推進します。

 4つ目の「安心・安全・環境」の分野については、恵まれた環境を有効に利用し、“安全・安心、便利な住まいの環境”について実現を目指します。
隣接する3市へのアクセスの改善を促進することにより、子育て世代などの定住や、県道バイパス整備に併せた新市街地の形成を促します。また、防犯体制強化のために県警が進める交番移転については、町として可能な協力を行います。おでかけ号については、これまでの運行実績を踏まえて抜本的な検証を行い、必要な見直しを行います。また、防災行政無線のデジタル化のほか、土砂災害警戒区域の指定に伴う新たなハザードマップの作成や自主防災力強化のための支援などを通じて、安心、安全なまちづくりを進めます。

 5つ目の「文化・歴史」分野については、熊野筆の伝統文化を有する本町の魅力、特長を活かした“文化発信のまち”の実現を目指します。
既存のイベントに加え、筆文化の魅力を強く発信することができる新たな取り組みの企画立案を進めるとともに、筆の里工房の集客力強化に向け、ハード、ソフト両面の改善を図ります。

 6つ目の「観光・交流」分野については、熊野筆の伝統文化を有する本町の魅力、特長を活かした“文化発信のまち”の実現を目指します。
熊野筆という優れた観光資源を有する本町の魅力を更に高め、“おもてなしと交流の場の創出” について実現を目指します。産業観光を推進するとともに、筆の里工房は、その周辺の整備を行うことにより、観光交流拠点としての機能を強化します。公園のほか、筆づくり体験、書道をはじめ筆を用いた芸術創作ができる体験型のメニューを提供するなど、外国人を含む観光客へのおもてなしの場を創造する事業に着手します。

 7つ目の「産業」分野については、筆を核とした“新たな産業が育つ環境”の実現を目指します。
東京オリンピック・パラリンピックを通じた、熊野筆ブランドの世界発信のほか、首都圏での熊野筆のPRや販路拡大を図るプロジェクトが推進できるよう、東京23区と連携して環境整備を行います。また、筆づくりの後継者育成への支援、くまの産業団地における雇用の創出、地産地消などの取り組みによる農業振興にも努めてまいります。

 こうした取り組みを通じて、「くまの創生」を着実に推進してまいります。
 熊野町は、2年後の平成30年秋、大正7年の町制施行から100周年目という大きな節目を迎えます。わが町の歴史と伝統を後世に引き継ぐ決意をもって、町民の皆様がこぞってお祝いする年となるよう、記念行事などの準備を滞りなく進めてまいります。
 縷々(るる)申し上げてまいりましたが、いずれにいたしましても、申し述べた施策や事業は、議員各位をはじめ町民の皆様の御理解と御協力がなくては実現できないものばかりでございます。
 
 これからの4年間、町勢発展のため全身全霊を尽くす所存ですので、これまで以上の御指導、御鞭撻を賜りますよう切にお願い申し上げ、3期目に際しての、私の所信表明とさせていただきます。

 

このページに関するお問い合わせ

熊野町総務部 総務課

TEL/082-820-5601   FAX/082-854-8009

お問い合わせフォーム