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ハネミイヌエンジュ

ハネミイヌエンジュ

 
 この木の最も美しいのは春の芽吹きではないでしょうか。本当に、銀色に輝いています。
 フジの葉に似た奇数羽状複葉で、互生します。小葉は鋸歯がなく裏は白っぽくて、ほぼ対生しています。
 花期は8月頃。枝先に数本の花軸を伸ばし、白い小さな蝶形花が多数並んで咲きます。1個の花の長さは7~8mm。5枚の花弁のうち上の花弁(旗弁)が強く反り返り萼に接しています。
 実は扁平な莢で、両端が細くなります。上側の縁に幅1~2mmのひれ状の翼があり、そこから「ハネミ」の名が付けられています。
 枝を折ると、ソラマメの葉に似た臭気があります。
 中部地方以西に分布する落葉高木で、熊野の山に点々と見られます。
 中部地方以北には、とてもよく似たイヌエンジュが分布しています。花が長さ10~12mmと大きく、旗弁は反り返りますが萼には接していません。莢の翼が0.8mmと狭いことなどが違います。
 材が似ているので、林業では区別せずどちらもエンジュと呼びます。辺材は淡黄色、心材は暗褐色で光沢があり美しく、床柱や木工品などに好んで使われます。
 槐は中国原産で、材は似ていますが、果実は数珠状にくびれ、マメ科の別の仲間に分類されています。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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