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ヒメヤシャブシ

ヒメヤシャブシ

 
 卵形の果穂が数個、枝から垂れ下がっています。果穂がごつごつしているので「夜叉」、ヌルデの虫こぶ(五倍子)と同様にタンニンが多く黒色の染料に使うため「夜叉五倍子」。その中で果穂や葉などが一番小さく「姫」が付いています。
 子どもの頃、父に名前を尋ねると「ハゲシバリ」だと教えてくれました。ハゲ山の砂防、緑化に用います。
 やせた土地でも成長が速くよく育つのは、空中の窒素を固定する根粒菌と共生しているため、葉の窒素含有量が多く光合成の能力が優れているからです。
 晩秋、葉は緑色のまま落ちます。葉の窒素や緑色の色素を枝に回収しないためで、養分の多い落葉です。
 やせた土地でアカマツと一緒に植えると、アカマツだけ植えた場合と比べ、アカマツが著しく成長した例があります。それで、「肥料木」とも呼ばれます。
 花期は3月後半から4月。雄花穂は長さ4~6cmの尾状で、枝先に1~3個垂れ下がります。雌花穂は、その下に3~6個つきます。雌雄同株の風媒花です。
 果穂には、両側に翼をもつ小さな果実が多数入っていて、風で散布されます。
 葉は互生し、長さ5~10cm。側脈が平行に多数並び20~26対もあるのが特徴で、縁は細かい重鋸歯です。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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