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アケボノソウ

アケボノソウ
 
 曙草の名は、花の清々しい印象がほのぼのと明ける夜明けの空、曙を連想させて付いたと言われます。
 花は直径1.5~2cm。花弁が5枚に見えますが、深く5裂している合弁花です。よく見ると、4裂の花が混じっていることもあります。
 クリーム色を帯びた白色で、裂片の幅の広い部分に2個の黄緑色の円い腺体があり、蜜が出ています。裂片の先には、黒紫色の小さな斑点が散らばっています。
 この斑点のないものが稀にあり、フナシアケボノソウと呼ばれます。今までに1ヶ所だけ、町内の雲母川の谷で見ています。
 花期は9~10月ですが、時に8月初旬から花を見ることもあります。
 2年草で、1年目は長い柄のあるオオバコに似た根生葉を広げています。2年目に茎を伸ばし、上部の葉脈から対生する枝を出します。秋、茎や枝の先に、柄のある花を多数咲かせます。花期には根生葉は枯れています。
 花を咲かせ結実して種をつくり、その株は命を終えます。花の時に美しいからと切り取ってしまうと、子孫を残すことはできません。
 全体に無毛で、茎は直立し高さ60~90cm、4稜があり、角ばっています。葉は対生し、鋸歯はなく、3本の主脈が目立ちます。
 ほぼ日本全土に分布。湿地や沢沿いなどに生えます。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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