このページの本文へ移動

カクレミノ

カクレミノ

 

  「隠れ蓑」の名は、着ると姿を隠すことができるという天狗の蓑に、葉の形が似ているので付きました。
 若木では普通、葉の先が3つに裂けます。幼木では深く5裂する葉もあります。成木になると、ほとんどの葉が裂けないで、写真のような広卵形になります。
 葉は枝先に集まって互生し、厚く無毛で光沢があります。表は濃緑色、裏は淡緑色で、長い柄があります。葉の寿命は、およそ1年半。晩秋、古い葉は美しく黄葉して落ちます。耐火力の強い常緑広葉樹です。
 花は7~9月。淡黄緑色の小さな花が枝先に半球状に集まって咲きます。花の集まりを花序と言いますが、枝先に1~4個の花序をつけます。中心の花序が咲いて若い果実になってから脇の花序が咲くので、花は長く見られます。
 果実は、11~12月に黒紫色に熟します。長さは約8mmで果序は垂れ下がります。
 幹は直立し、高さは5~10m、時に15mに達します。樹皮は灰白色、若枝は緑色で、全体に無毛です。
 樹液は黄漆と呼び、透明で光沢が美しく、家具や刀の柄などの塗料に用いられました。日陰でも生育し、庭木や鉢植えに使われます。
 関東地方より西の暖地に分布します。県内では島や沿岸部に多く、熊野町ではほぼ全域の山で見られます。 

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

このページに関するお問い合わせ

熊野町総務部 政策企画課

TEL/082-820-5634   FAX/082-854-8009

お問い合わせフォーム