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センボンヤリ

センボンヤリ

 年に2回、春と秋に、姿も役割もまったく異なる花をつけるユニークな草です。
 秋、何本もの花茎を30cm以上に伸ばし、先に1個の頭花をつけます。頭花を包んでいる部分を総苞といいます。秋の頭花は閉鎖花で、多数の種を飛ばします。
 閉鎖花は、花が開かず蕾の内部で、雌しべが自分の花の花粉を受けて種をつくります。虫や風などに頼らず、自分だけで確実に種をつくる利点があります。
 センボンヤリは、閉じた総苞の中で小花が開き受粉するので、厳密には少し違いますが、外側から花は見えず、これも閉鎖花と呼ばれています。
 千本槍の名は、秋の姿を多数の毛槍が並んだ様子に見立てて付けられました。
 春4~5月、花茎が短く直径1.5cmほどの白い花を開きます。閉鎖花に対し、開放花といいます。開放花は、他の花の花粉を受粉して、遺伝子の異なる種をつくる役割があります。
 白い花びらの裏が紫色を帯びているので、ムラサキタンポポの別名があります。
 多年草で、葉は地面に広げた根生葉だけです。羽状に裂け、春は小型、秋は大型です。根生葉だけなので背丈の高い草むらでは負けてしまします。山道のそば、明るい林で見られます。
 日本全土に分布します。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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