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クサノオウ

クサノオウ

 

 漢方では、漢名の「白屈菜」の名で呼ばれる薬草です。花の頃、全草を採取し乾燥させて用います。鎮痛、消炎、解毒などに効果があるそうです。しかし、量が過ぎると昏睡が始まり麻痺や腹痛などが起きるので、安易に使うのは危険です。
 茎や葉を切ると、橙黄色の液が浸み出てきます。強い毒性のアルカロイドを含み、痙攣や呼吸麻痺などを起こします。毒草は、しばしば薬草として使われます。
 名前の由来については、いろいろ説があります。橙黄色の液を出すので「草の黄 」。丹毒、疥癬、タムシなど皮膚病に薬効があるので「瘡の王 」。瘡は皮膚病の総称で、訛って瘡とも呼ばれます。百薬の長の意味で「草の王」の説もあります。
 直径2cmほどの黄色い花が、4~7月頃に咲きます。花びらは4枚。雌しべは1本、伸びて長さ3~4cmの実になります。少ししわしわで、象の鼻を連想させます。雄しべは多数。種は黒く、端に白い脂肪体があり、これを好むアリが種を運びます。
 茎は中空で、高さ30~80cm。葉は互生し、1~2回羽状に裂け裂片の先は円みがあって、独特の形です。茎、葉の裏、萼など縮れた白い毛が多く生えています。
 北海道から九州に分布。道端、草地、石垣などに見られる2年草です。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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