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タカノツメ

タカノツメ

 
 冬は落葉樹の冬芽や葉痕などを観察して楽しんでいます。葉が落ちると、枝に痕跡が残ります。それが葉痕です。この写真では、細い三日月状の部分が葉痕です。葉痕の中に点々とあるのは維管束痕で、維管束は水や養分の通り道です。
 同じウコギ科のコシアブラとは冬芽や葉痕がそっくりです。しかし維管束痕は、コシアブラが11~16個と多く、タカノツメは5~9個と少ないので区別できます。
 枝先に葉が束生し、毎年少しずつ伸びる短枝があるのが特徴の一つです。短枝は曲がり、何年もの葉痕が並んで「鷹の爪」に似ているので、名前が付きました。
 材が芋のように軟らかいため、別名イモノキ。白い材は箱、杓子、経木、箸などに利用されてきました。
 葉は長い柄のある3枚葉で、縁には微細な鋸歯があり、葉先は鋭く尖ります。晩秋には美しく黄葉します。
 雌雄異株で5~6月、短枝の先に黄緑色の小さな花が丸く集まって咲きます。
 果実は直径5mmほどの球形で、秋に黒く熟します。
 高さ5~15mの落葉樹で、樹皮は灰白色で滑らかです。
 日本特産で九州以北に分布。熊野町ではほぼ全域で見られ、土岐城山、竜王山などには多く生えています。
 タカノツメ属は、もう1種が中国にあるだけです。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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