平成23年度 議会広報特別委員会視察報告
平成23年度 議会広報特別委員会 視察研修報告
~第75回町村議会広報研修会~
議会広報特別委員会委員長 中原 裕侑
実施日 平成23(2011)年10月24日~25日 |
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研修先 シェーンバッハサボー(東京都千代田区平河町) |
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参加者 議会広報特別委員会(副委員長欠席) |
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受講人数 全国101町村議会 406名 |
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研修内容 以下のとおり |
(1)文章が伝わる7つの要件
相手に伝わる文章を書くために、以下の7項目を意識する必要がある。本当に自分が伝えたいことは何かを絞り出し、それに対する意見と論拠を元に、自分なりの考察を加えることで文章はできあがる。また、自分自身のメディア力・信頼力・影響力を日々貯金し、相手(住民)とのよい関係を作りあげておくことも、結果として、「伝わる・揺さぶる」ことができる文章に繋がってくる。
1 「信頼(メディア力)」を得ること →相手からどう見られているか?(議会だより・・議員の信頼→記事の信頼)
2 「意見」の真意 →自分が言いたいことは何か?(議会報告・・議会の仕事、議員の活動)
3 「論拠」を考察 →なぜそう言えるか?(議案・条例など・・具体的な説明)
4 目指す「結果」 →出したい結果は何か?(議会への信頼・・議員活動に対する理解)
5 「根本思想」にあるもの →自分の根っこにあるものは?(議員活動の根底・・町民の代弁者としての自覚、町民のための町政推進、議会の活性化)
6 「論点」の方向 →問題意識はどこに?(一般質問・・質問の本旨は何か、町民に分かりやすいか)
7 相手にとっての「意味」 →相手の立場に立ってみる(議会だより・・町民に役立つか?興味があるか?)
(2)住民が興味ある情報をいかに伝達するか
情報を正確に素早く、分かりやすい表現で伝達するには、書体の変化やレイアウトフォーマットによる位置取り、そして本文にたどり着くまでの見出し、小見出し、リードが大切。また、図形の活用は、一段と理解しやすい広報紙ができることを確認。
1読まれるための広報紙のためには
→情報のタイムリー性(情報の鮮度、住民の関心ごと)
2広報紙の表現主体は文字組
→書体と文字の組み方、レイアウトフォーマットの作成、文字情報の役割の活用
3紙面表現の心得
→AIDMAの法則(注意・関心・欲求・記憶・行動)の編集紙面およびレイアウト表現の変化により、情報伝達を変化させ、紙面をまとめる。
(3)視覚的な情報伝達-写真撮影
同じ被写体を撮影するにおいても、何をどのように伝えたいか、また、その状況によって、一枚の写真が広報紙を読む住民に与える印象は、全く異なるものとなる可能性がある。そのため、写真を掲載する場合、その目的を明確にする必要がある。
また写真撮影には様々な技法があるが、デジカメの性能をいかに最大限に活用するかが課題となる。
1何を伝えるか
・伝えたい内容を把握する。また、情景だけでなく、クローズアップも撮る。
2撮影テクニック
・撮る位置で内容が変わる。どのような効果があるか知っておく必要がある。
3写真の著作権
・著作権とは・・・届けるものではなく、自動的に付与される。作者の死後50年間保護される。継承する人を著作権者と呼ぶ。
・肖像権とは・・・日本の法律にはない。ルールとマナーを守ること。
(4)議会広報クリニック
○8町の議会広報紙を元に、良い点悪い点について指摘。
(例)・硬い条例名は省き、内容を分かりやすく掲載する。
(例)・一般質問は1議員1ページが理想。
(例)・定例会の目玉的な内容は大見出しで。 など。
研修を終えて
議会と町民の信頼関係づくりのために、議会だよりは欠かせないものである。多くの住民の皆さんに読んでいただけるよう、議員は町民の代弁者であることの自覚を持ち、日ごろの活動の中で町民との信頼関係を強くしていく努力が必要だと感じた。このことを根底に置きながら、このたび学んだ様々な手法と表現力で、さらに住民の皆さんに興味を持って見ていただけるよう、これからの広報委員会活動を行っていきたい。