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セリ

セリ

 
 暑い盛り、緑の中の白い花には清涼感があります。
 春の七草で有名なセリは、爽やかな味と香り、シャキシャキした歯触りが好まれ、お浸し、和え物、鍋物などに賞用されています。葉や茎だけでなく根も食べられます。古くから食用とされ、「古事記」や「万葉集」などにも出ています。
 春のセリが一番ですが、この頃間違える恐れがあるのは、有毒のキンポウゲ科キツネノボタンなどです。セリの芳香はないので匂いを確認するといいでしょう。
 栽培の歴史も古く、927年の「延喜式」に記載があります。数少ない日本原産の野菜の一つです。
 日本全国の水田、湿地、溝などに生える無毛の多年草で、高さは20~50cmほど。葉は互生し、1~2回羽状に分かれ、粗い鋸歯があります。地下茎を伸ばして繁殖します。密集している様子が競り合って見えるので名が付いたと言われます。
 花は7~8月頃枝先に咲きます。5弁の小さな花が傘形の集団をつくり、それが集まって全体として直径3~5cmの集団となります。 
 果実は無毛、楕円形で長さ約3mm。2本の長い雌しべが残っています。果実はセリ科の分類で重要です。
 セリ科植物は世界に3千種、日本に75種。熊野町では現在13種記録しています。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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