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ダイミョウセセリ

ダイミョウセセリ

 
 小型のセセリチョウ科の中では大きめなので「大名」の名が付きました。セセリチョウは仲間の総称です。
 林の周囲や渓流沿いに生息し、草原にはいません。低い葉の上に、はねを開いて止まる習性があります。
 はねを開くと35mm前後。黒褐色の地に白い斑紋が帯状に並んでいます。後ばねにも白い帯が明瞭にあるのは近畿以西に棲む関西型です。中部地方以北では白い帯はないかまたは不明瞭です。
 幼虫は、ヤマノイモやナガイモなどの葉を食べます。成虫のメスは、これらの葉の表に1個ずつ産卵します。
 幼虫は葉の一部を折り返し、自分の糸で綴って巣を作ります。頭部は黒色、胴部は緑を帯びた灰白色です。脱皮を繰り返して長さ25mmほどになり冬を越します。
 幼虫は蛹を経て羽化し蝶になります。蝶の発生は寒冷地で年2回、関東地方の平地、およびそれより南の暖地で年3回と異なっています。
 国内では、北海道渡島半島以南、九州まで分布し、県内では全域に生息しています。熊野町では、5~9月に蝶を見ています。
 セセリチョウの仲間は、蜜を吸う時しきりに口吻を動かします。これを「挵る」というので、名付けられました。町内のセセリチョウ科は「安芸熊野の自然誌」に8種記録されています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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