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ショウブ

ショウブ

 
 菖蒲というと花菖蒲を連想しがちですが、花菖蒲はアヤメ科で全く別物です。昔から混同され、「万葉集」などに「あやめ」と出ているのは、この菖蒲です。
 端午の節句に葉を入れた「菖蒲湯」につかり、葉を軒に上げる風習は「枕草子」などにも書かれています。
 強い芳香があり、葉が剣の形をしているので邪気を払うと信じられました。これらの風習は、中国から伝わったものと言われます。
 葉で作った菖蒲兜、菖蒲刀、また、菖蒲酒、菖蒲占、菖蒲打ちなど多数の言葉が「広辞苑」に載っています。
 北海道から九州の池のほとりや湿地に群生し、葉は高さ70~100cm。中央に高い脈が一筋あり冬は枯れます。
 花は4月後半から初夏に咲きます。黄緑色の小さな花がびっしり密集しています。長さは5cmほどで、「肉穂花序」といいます。
 葉の途中に花序が付いているように見えますが、花茎が葉に似ているためで、花序の上は苞葉です。
 地下茎は太くて横にはい、節が多く芳香があります。健胃薬や神経痛、肩こりを治療する入浴剤に用います。
 最近分類が変わり、サトイモ科からショウブ科として独立しました。雄しべに内向葯、雌しべに胎座があることで区別されています。
 写真は呉地で撮りました。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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