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ヤマザクラ

ヤマザクラ

 
 文学や美術に多く登場し、日本人に最も愛されているサクラ。サクラ属の中のサクラ亜属の総称です。日本に約10種、変種などを含むと約100種が自生し、園芸品種は200~300といわれます。
 現在、サクラといえばソメイヨシノが浮かびますが、古くはヤマザクラを指していました。新葉とともに咲く姿に風情があり、本居宣長の「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」は有名です。奈良県吉野山はヤマザクラの名所です。
 開花は田の神の出現を示すとされ、農作業の目安としたり、開花状況で豊作かどうかを占ったりしました。
 花は一つの芽から2~5個咲き出ます。実はほぼ球形で、直径は7~8mm。5~6月に黒っぽく熟します。
 材は緻密で香りがあり家具や彫刻、版木などに、チップは燻製作りに使います。樹皮は独特の光沢があり、丈夫です。茶筒や小箱など細工物に利用します。
 分布は宮城県以西。葉裏は白っぽく、葉柄上部に2個の蜜腺があります。花や萼、冬芽などは無毛です。
 サクラに中ではエドヒガンに次いで寿命が長く、大木になります。県最大の巨木は東城・千鳥別尺にあり、幹囲4.5m、推定400年です。
 町内一の大木は幹囲2.5m、道上奥の石岳山登山口から少し進んだ左にあります。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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