このページの本文へ移動

ヒナタイノコズチ

ヒナタイノコズチ


 日向に生え枝を分けて茂り、対生する葉は厚くて毛が多く力強い多年草です。
 しばしば、茎の節が大きくふくれています。これを猪の膝に見立て「猪子槌」の名があります。別名「節高」、漢名「牛膝」の語源も同様です。実は、節がふくらんでいるのは虫が寄生してできる虫こぶです。
 根は太く、漢方で「牛膝」と呼び薬用にします。利尿、腰痛などに効果があります。
 花は小さく目立ちません。花粉を虫に運んでもらう虫媒花ではなく風に運んでもらう風媒花なので、虫を呼ぶための大きな花も鮮やかな色もいらないのです。
 8~9月、枝先や葉の腋から花軸を伸ばし下から上へ咲いていきます。淡緑色のがく片5、雄しべ5、雌しべ1が花の構造です。花が終わると、がく片は閉じ下を向き花軸に圧着します。
 がく片の外側に刺状の小さな苞があります。実が熟すと、これで動物や人の衣服に引っ掛かり付いていく方法で種を散布しています。 
 本州、四国、九州に分布。茎は四角で紫褐色を帯び、高さは50~100cmほどです。熊野町で普通に見られます。 
 よく似て日陰に生える、ヒカゲイノコズチがあります。ヒナタイノコズチに比べ全体にほっそりして、花穂は細くまばら、葉は薄くて毛が少ないのが特徴です。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

このページに関するお問い合わせ

熊野町総務部 政策企画課

TEL/082-820-5634   FAX/082-854-8009

お問い合わせフォーム