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ツチグリ

ツチグリ
 
 山を歩いていると、道のそばの崖下などでよく見かけます。土栗または土柿と呼ばれるキノコです。
 星形に開いた6~10の裂片が湿度によって開いたり閉じたりするので「キノコの湿度計」とも言われます。 
 裂片の内側の層が水分を含むと膨張するため、反り返るように開くのです。乾燥すると元に戻り、中央の球形の内皮を包むように閉じます。すると上の小さな孔から胞子が放出されます。
 成熟前の幼菌は、やや平たい球形で直径2cm前後。外皮は白くて裂けていません。内部も白色です。この頃は食べられます。スライスして汁物や炒め物にすると歯切れも良く美味しいそうですが、幼菌は地中にあるため目に触れず、まだ食べてみたことがありません。 
 成菌の外皮は灰褐色から黒褐色。外皮の内側は白色で、ひび割れて写真のような網目模様です。
 夏から秋に発生しますが、革質で腐りにくく冬から春にかけても見られます。
 マツタケやシイタケなどは傘の裏のひだの表面で胞子が成熟しますが、ツチグリのように胞子が成熟するまでキノコの内部(腹の中)に保護されている仲間を腹菌類と言います。幼菌は球形や卵形などですが、成菌の姿形は様々です。町内でカゴタケやスッポンタケなど15種以上を見ています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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