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ハイイロチョッキリ

はいいろちょっきりのしゃしん
 
 地面に緑色の木の葉や枝先がたくさん落ちているのに気付き、不思議に思ったことはありませんか。それは、昆虫の仕業であることが多いのです。
 写真は、ハイイロチョッキリという体長9mmほどの小さな甲虫が切り落としたコナラの枝先です。8~9月に、コナラ、アラカシなどで見ています。
 成虫は、頭の先が象の鼻のように長く伸び、先端に鋭いあごをもっています。
 交尾した雌は、ドングリのついている小枝をかみ切っていきますが、落ちないよう一部を残します。次に
 ドングリの殻斗(お椀のような部分)から深く穴をあけ、産卵管を入れて卵を産みつけます。産卵が終わると、穴のまわりの殻斗を削って穴の入口をふさいでいきます。卵をねらう敵から守るためです。最後に残しておいた部分をかみ切って枝先を落とします。
 ドングリには、長さ1.2 mmほどの小さな卵が一つ入っています。孵化(ふか)した幼虫はドングリの中を食べて成長します。ドングリは幼虫の家であり食べ物でもあるのです。成長した幼虫は、土の中にもぐって、土団子のような部屋をつくって蛹になります。羽化した成虫は翌年の6月頃から現れます。
 体の色は黒から暗褐色ですが、灰黄色の毛を密生し、灰色の名が付いています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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