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ネムノキ

ねむのきのしゃしん
 
 万葉集や俳句などにも詠まれ昔から親しまれている合歓(ねむ)の木。熊野では6月下旬から7月下旬に咲きます。
 花を近くで観察してみましょう。10~20個の花が一ヶ所に集まって咲いています。花びらは花の基部にあり淡緑色で小さく5枚です。美しい淡紅色で糸状に多数伸びているのは雄しべで、長さ3~4cmもあります。雄しべの先は黄色で、しゃれたアクセントになっています。雌しべは1本、白くて雄しべより長めです。よく見ると、中央の花だけ雄しべが途中から横に開いていて、花もやや大きめです。
 葉は夕方になると向かい合った小葉を合わせて閉じ、さらに羽状の葉も垂れ下がって眠ったようになります。
 小葉や羽状の葉のつけねのふくらんだ部分を葉枕(ようちん)といいます。葉枕の細胞の膨圧が変化することで、就眠運動が起こります。
 葉と逆に、花は夜に咲きます。写真は午後3時頃の様子です。花が開き、縮んでいた雄しべが伸び始めています。夜には、ぴんと長く伸びます。花は、一日ほどでしおれてしまいます。
 東北地方まで分布する、南方系の植物です。そのため芽吹くのが遅く、他の木が葉を広げ花を咲かせている5月になって、やっと冬の眠りから覚めます。ネムノキの名は、ここから付いたとも言われます。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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