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クサイチゴ

くさいちごのしゃしん
 
 木苺の仲間ですが、丈が20~60cmと低く草状なので草苺の名があります。
 花は4~5月。前年の茎から出た短い枝の先に、普通1個の花をつけます。直径3~4cmの真っ白い花が目を引きます。花びらは5枚、雄しべは多数。中心部は花床が球形にふくらみ、その上に雌しべが多数並んでいます。
 果実は液果状で、甘く食べられます。1粒が1個の果実で、小さな果実が多数集まっている集合果です。赤く熟し、直径は1cmほど。フユイチゴやナワシロイチゴに比べると、1個の果実が小さくて数は多く何倍もあります。
 苺(集合果)を摘むと、花床からすぐにはずれます。中空で鍋のような形なので、鍋苺の別名があります。果期が5~6月とやや早いため、早稲苺(ワセイチゴ)の名もあります。
 畑や藪の縁などに普通に見られる落葉小低木ですが、冬に葉が残っていることもよくあります。地下茎を長く伸ばし、新しい苗を作って繁殖するので群生します。
 葉は互生します。小葉3枚または5枚の複葉です。縁には鋸歯があります。表面は葉脈に沿ってへこんでいます。両面に軟毛が多く、茎や葉には刺があります。
 キイチゴの仲間は、世界に数百種あり北半球に多く分布します。日本に約40種、熊野町には8種自生します。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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