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キクバヤマボクチ

きくばやまぼくちのしゃしん
 
 細い針状のイガグリのような形で夏を過ごし、10~11月ごろ花を開きます。花の色は淡黄色か淡紫色で、渋い美しさがあります。
 「菊葉山火口(キクバヤマボグチ)」の名は、下部の葉が裂け菊の葉に似
ていて山に生え、火口(ホクチ)に用いたことで付きました。火打ち石から火花を受けるのに、葉の裏に密生する白い綿毛を採って使ったのです。
 草地や林縁に生える、高さ70~100センチメートルほどの多年草です。近畿以西の本州、四国、九州に分布。県内に広く生育しますが、沿岸部では稀、島では見られません。町内では、あまり多くはないので大事にしてほしい草です。
 若芽を餅に入れたり、根や若い茎を食用にできます。
 キク科ヤマボクチ属は、世界に4種、日本に3種あり、県北部の山地には、「葉場山火口(ハバヤマボクチ)」があります。
 キク科の花は、一つの花に見えるものが、実は小さな花(小花(しょうか))の集合体です。小花は小さいながら雌しべ、雄しべなどをもつ立派な花なのです。小花の集合体を包んでいるのがそうほう総苞で、全体をとうか頭花と呼んでいます。
 キクバヤマボクチは、茎の上部で細い枝を分け、枝先に直径3.5センチメートルほどの頭花を一つずつ付けます。
 キク科の頭花は実に多様で種子植物の中で最も種類が多く2万種を超え、最も進化した科とされています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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