このページの本文へ移動

クズ

クズのしゃしん
 
 夏から秋にかけて咲くクズは秋の七草の一つで「万葉集」など多くの歌に詠まれています。花穂は長さ10~20センチメートルもありますが、長い柄をもつ大きな葉に半ば隠れるように咲いています。花は紅紫色の蝶形花で、甘い芳香があります。
 実は枝豆に似て、黄褐色の毛が密生しています。
 葉は大きな3枚葉で、日射しの強い時には葉を立て受光量を減らし、葉の温度や水分の蒸発を調節します。
 多年生のつる植物で、10メートル以上もつるを伸ばします。地面を這うつるでは節毎に根をおろします。繁殖力旺盛でたちまちのうちに生い茂り他の草木を覆ってしまいます。飼料用として輸入したアメリカでは最近厄介者になっているそうです。
 つる植物は自分の体を自分で支えないため茎をあまり強くする必要がありません。その分つるをどんどん伸ばすことができるのです。
 根は人の腕ほどにも大きくなり、多量のデンプンを含んでいます。葛粉をとり食用に、また葛根湯など薬用に用います。クズの名は吉野の国栖(クズ)が有名な葛粉の産地であったことに由来すると言われます。最近では本物の葛粉は上等の和菓子に使われるくらいで、一般にはジャガイモなどから採ったデンプンで代用されています。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

このページに関するお問い合わせ

熊野町総務部 政策企画課

TEL/082-820-5634   FAX/082-854-8009

お問い合わせフォーム